1999 Fiscal Year Annual Research Report
更年期から老年期への移行期の女性における心身の適応に関する研究
Project/Area Number |
11610156
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Research Institution | Seitoku University Junior College |
Principal Investigator |
長田 由紀子 聖徳大学短期大学部, 助教授 (70172781)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 美栄子 聖徳大学短期大学部, 助教授 (90231844)
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Keywords | 更年期 / 女性 / 閉経 / 更年期障害 / 中高年 / 主婦 / ストレス / 女性の役割 |
Research Abstract |
本研究では、更年期症状に関連する心理・社会的要因の検討を行い、さらに更年期および閉経に対する捉え方と、これらに関連する・影響される要因の検討を行うことを通して、更年期を主に心理的側面から考察することを目的とした。研究初年度にあたる本年度は、基本的な文献の収集と講読、および次年度にむけてのプリテストを行った。プリテストは研究代表者・分担者が担当する学生の母親を中心に、2000年1月に実施し、郵送により173名からの回答を得た(回収率53.1%)。対象者の年齢は40〜63歳であり、平均は48.17歳(S.D.=3.93)であった。主な結果は以下の通りである。:(1)現在、自分が更年期だと思う人は全体の44.6%であったが、思う・思わない理由の根拠として、ほとんどの人が更年期症状の有無をあげていた。(2)閉経に対する評価は、肯定的が26.9%、どちらともいえないのが67.0%、否定的に評価した人は6.1%であり、女性自身は閉経を否定的には受け取っていない傾向が示された。(3)家庭における女性の役割、仕事における役割をどの程度重視しているかについて、それぞれ5項目(α=.746)、4項目(α=.715)から成る尺度を作成した。この2尺度を用いて、対象者を、両役割重視群(n=37)、家庭重視群(n=36)、仕事重視群(n=36)、低意識群(n=44)に分類し、女性の役割志向別に分析を行った。その結果、更年期症状やそのつらさなどには4群間に差は見られなかったが、更年期に対するイメージには差が見られ、全体的に両役割重視群は肯定的なイメージを、家庭重視群は否定的なイメージを持っていることが示された。本研究の結果は、日本心理学会第64回大会で発表の予定である。
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