2000 Fiscal Year Annual Research Report
更年期から老年期への移行期の女性における心身の適応に関する研究
Project/Area Number |
11610156
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Research Institution | Seitoku University Junior College |
Principal Investigator |
長田 由紀子 聖徳大学短期大学部, 助教授 (70172781)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 美栄子 聖徳大学短期大学部, 助教授 (90231844)
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Keywords | 更年期 / 更年期症状 / 適応 / 閉経 / 中年 / 女性 / 精神健康 / うつ |
Research Abstract |
本研究は、更年期の諸問題を心理的側面から検討しようとしたものである。研究2年目にあたる本年度は、昨年度行ったプリテストの結果を2学会で発表し、さらに本調査を計画・実施した。 本調査は、2000年11月〜2001年1月にかけて実施された。対象者を閉経過程により5グループ化し、心身の適応に関する指標を従属変数として一要因の分散分析を行った結果、健康状態、更年期指数、うつ、更年期に対する危機感、閉経の評価に対するグループの主効果が有意であった。多重比較の結果、健康状態と更年期指数については、月経に変化が生じている群および外科的閉経を体験している群が、更年期前の群に比べて得点が高く、健康上に問題があることが示された。うつ状態では、月経変化群および外科的閉経群の得点が、更年期前群に比べて高かった。更年期に対する危機感および閉経の評価は、更年期前群に比べて閉経群に肯定的傾向が示された。 ホルモンのバランスの崩れがさまざまな身体症状を引き起こすことは容易に想像できるが、自然閉経においてとくに注意すべき点として、閉経に至る月経変化を感じている群のうつ得点が高く、この時期の女性の精神健康の危機が示唆された。そこで、月経変化群を取り出して、うつ状態に影響を与えている変数について検討した(分析対象者247名)。重回帰分析の結果、うつ得点に影響を与えていたのは、更年期症状が重いこと、夫婦関係満足度が低いこと、孤独感が高いこと、自身の老年期イメージが否定的なこと、自己効力感の低いこと、家族のために自分を犠牲にすることが多いと感じていること、自分のために家族を犠牲にしていると感じていること等であり、学歴や職業は関係していなかった。
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