1999 Fiscal Year Annual Research Report
海外駐在日本人のソーシャルストレスとその対応策に関する比較社会学的研究
Project/Area Number |
11610169
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
江川 緑 東京工業大学, 留学生センター, 助教授 (40251615)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 喜比古 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (10174666)
矢野 眞和 東京工業大学, 社会理工学研究科, 教授 (30016521)
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Keywords | ソーシャルストレス / 文化摩擦 / 多文化共生 / 国際人事 |
Research Abstract |
ソーシャルストレス、国際人事管理・福利厚生などに関する文献・資料を広く収集し、その理念や考え方について整理した結果、海外駐在に対する認識が、対象国によって異なる傾向が明らかとなった。 米国およびEU諸国の企業を対象とした調査協力企業の調整では、近年の経済・経営状況の変化、ことにM&Aの急展開などにより、独系企業、蘭系企業などというような従来の区分けが困難な状況が生じ、こうした現象にともない派遣駐在員の形態にも変化が生じていることが判明した。現在進行中ともいえるこのような状況変化を研究成果に取り込むべく、海外・日系企業の国際人事担当者への聴き取りを充実させることが必要であると考えられた。 また、海外派遣駐在員を対象とした調査では、駐在員自身がかかえるソーシャルストレスの性質は、国別に異なるというよりも、むしろ共通しているとの傾向が認められた。こうしたソーシャルストレスに対する企業の取り組み方に、国別相違がある可能性がうかがわれたが、調査票回収率、聴き取り調査件数が十分とはいえない国もあり、予備的考察の域を脱しえない。次年度、これらの国々の海外派遣駐在員・企業への追加調査を実施し、検証を加えたい。
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