2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11610183
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
石倉 康次 広島大学, 総合科学部, 助教授 (40253033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植田 章 佛教大学, 社会学部, 助教授 (80268127)
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Keywords | 福祉調査 / 社会学 / 知的障害 / 痴呆 / 高齢化 / スウェーデン / 介護保険 / アセスメント |
Research Abstract |
1.研究は3年間の研究である。2年度の12年度は以下の点で研究の進展をみた。 2.児童虐待・痴呆老人介護・知的障害者施設の現場におけるニーズ把握の実態について調査をおこなった (1)児童虐待カウンセリングの現場では 児童虐待やいじめについて子ども自身の立場ではどのように捉えられているかを把握する有力な方法として、小さなドラマを大人が演じてみせ、それについての子ども達の意見や反応を観察する方法を検討した。 (2)痴呆老人ケアの現場では 痴呆老人自身が何を求めているかを把握する方法のうち、老人自身が発する思いや意見、あるいは手記を引き出し、それを介して老人自身の思いを把握する方法に着目して分析を加えた。また、同世代の老人自身が介護者として関わることが痴呆老人の思いを把握するのに有効なこともわかった。 (3)知的障害の現場では 知的障害者施設において生活している人たちを日常的に生活支援にかかわっている職員が、日々の支援の場面場面において、どのようなことに注意を向けているかをヒアリング調査を行なった。 (4)介護保険について 介護保険の要介護認定システムが、要介護者のニーズ把握においてどのような問題を有しているか、現場のケアマネージャーにインタビューをとおして明らかにした。 3.スウェーデンにおいて痴呆老人のケアニーズと高齢知的障害者のケアニーズの把握について調査を実施した (1)痴呆老人のケアニーズの把握について スウェーデンのカルマルコミューンを訪問し、地域保健婦とニーズ査定員、地域医師とが連携した集団的なケアアセスメント方式が確立されていることを知った。 (2)高齢知的障害者のケアニーズの把握について グループホームを中心とした多様な居住形態が進み、その結果、知的障害者が高齢期まで意義ある生活を営める条件が開かれつつある。それにともなって、高齢知的障害者固有のニーズも多様にあらわれ、その取り組みが蓄積されていることを把握することができた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 石倉康次: "介護保険における要介護認定の諸問題"障害者問題研究. Vol.28 No.4. 51-62 (2001)
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[Publications] 石倉康次: "痴呆性老人とどう向き合うか"介護支援専門員. Vol.2 No.4. 27-31 (2000)
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[Publications] 石倉康次: "高齢者からのメッセージに耳を傾ける"福祉のひろば. 2001.3.. 40-43 (2001)
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[Publications] 石倉康次: "痴呆老人と介護保険"かもがわ出版. 134 (2000)