1999 Fiscal Year Annual Research Report
沖縄のサステイナブルな開発・発展についての研究-アジアとの共生の視点から-
Project/Area Number |
11610191
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
鈴木 規之 琉球大学, 法文学部, 教授 (60253936)
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Keywords | 沖縄 / サステイナブルな開発・発展 / アジア / 国際化 / 共生 |
Research Abstract |
現在、沖縄の開発・発展のあり方については基地問題ともからんで大きな議論をよんでいる。この中で主流を占めるものが、いかに所得をあげていくか、日本本土並みにするかという経済成長至上主義的な考え方である。県民所得が本土の平均と比べて約3分の2、東京の約半分という現状や、9%以上にもなる非常に高い失業率、とりわけ若年失業率が高いという事態がこのような経済成長至上主義的発現の根拠となっている。一方で、沖縄は、経済的な尺度では換算できない「自然の豊かさ」をもちながら、それを経済的な尺度に換算するためにリゾート、観光開発などを進め、環境問題を発生させてきた。この点については、宇井純などの環境派の研究者たちより批判が出ており大きな問題点となっている。 そこで、本研究は筆者がこれまで研究してきた第三世界、とくにアジアにおけるオルターナティブな開発・発展(もう一つの開発・発展)をベースに、「アジアとの共生」の視点から今後の沖縄のサステイナブルな開発・発展のあり方を考えたい。現在の沖縄において必要なものは、たとえば自然との共生という思想をタイから学ぶなど、アジアとの関係を見直すことである。開発、発展のあり方は決して一つではない。サステイナブルな開発・発展に代表される「もう一つの」開発・発展のあり方をアジアから学ぶことは大きな意味があるのである。 1年目の1999年度は、沖縄のこれまでの開発・発展のあり方について、サステイナブルな開発・発展という経済成長至上主義的ではないオルターナティブな視点から見直すために、沖縄開発庁や県などの地方自治体が行ってきた、もしくは推進してきた開発のあり方を批判的に分析するための資料収集およびヒアリング、その分析を行なった。そして、現在出されている将来構想について沖縄の自立、アジアとの共生という視点から批判的に分析する作業をもあわせて行なった。
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Research Products
(1 results)