2000 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者に対する社会福祉援助形態と地域特性に関する実証的研究
Project/Area Number |
11610199
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Research Institution | Ryutsu Keizai University |
Principal Investigator |
大橋 純一 流通経済大学, 社会学部, 教授 (50213830)
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Keywords | 高齢者福祉 / ソーシャル・サポート / サポート・ネットワーク / 地域福祉 / インフォーマル・サポート |
Research Abstract |
高齢者に対する社会福祉援助は、大別すると家族や親族などによるインフォーマルな援助、国や自治体などによるフォーマルな援助、企業などによるセミフォーマルな援助、そしてボランティア団体などによるボランタリーな援助の四つの領域が考えられ、これらの組み合わせによって社会福祉援助が提供される。 問題なのはこれらの組み合わせが地域社会の特性によって決定づけられるということである。社会福祉援助の形態と地域特性とは構造化されていると考えている。よって、それがどのように構造化され、またどのような変数がその構造化の要件になっているのかを明らかにすることが必要になってくる。 本研究ではこうした問題意識に立って、社会福祉援助の四形態と地域特性(人口学的・空間的・産業構造などの地域の特性、福祉援助をめぐる意識、福祉援助サービスに関する政策の位置づけなどの要因)との関連を土浦市を具体的な事例として取り上げ、上記の問題を明らかにしたものである。 具体的には、調査対象地域の土浦市から、市街地、旧市街地、農村地域、そして新興住宅地域をそれぞれ代表すると思われる四地区を選定し、各地区で住民に対して面接調査を実施した。その結果、大都市地域ではフォーマルな援助が中心になるのに対して、農村地域ではインフォーマルな援助が中心をなしているという仮説は検証されたが、しかし徐々に崩れかけてきていることが明らかになった。
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