1999 Fiscal Year Annual Research Report
現代日本における生活構想の展開に関する社会学的分析
Project/Area Number |
11610211
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Research Institution | Musashi University |
Principal Investigator |
藤村 正之 武蔵大学, 社会学部, 教授 (00190067)
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Keywords | ライフスタイル / 生活設計 / ライフコース / 社会計画 |
Research Abstract |
高度産業化社会・高度消費社会を実現した日本社会では、ライフスタイルの選択度合が増す一方、人々の未来観・将来観、生活設計のイメージは飽和状態にあると位置づけられる。本研究は、そのような背景をふまえ、第2次世界大戦後の日本社会における人々の未来観や将来観、生活設計のイメージと実際のライフスタイルとの関連を時系列的・具体的に考察することを通じて、生活構想の歴史的展開と現状を解明することを目的とした。 2年間の研究のうち、平成11年度は、主に研究に関連する資料の収集と整理、12年度に予定している標準化調査の準備作業をおこなった。具体的には、次の2つを課題とした。(1)生活構想に関連する歴史的諸資料の収集とその整理、(2)生活構想に関する標準化調査実施のための準備作業。(1)に関しては、行政計画や行政構想に見る生活構想として、主に経済企画庁『国民生活白書』の時系列的な内容分析をおこない、そこでの主題が量的な生活の充実から質的な生活世界やライフコースの充実に移ってきていることを確認した。また、人々の社会意識の集約されたものとして総理府の世論調査結果から、人々の未来観・将来観、生活イメージに関する部分をピックアップして分析したが、日本文化や国民意識の拘束により、ライフスタイルの変貌にみあうような目だった変化を確認できるものと確認できないものがあることが判明した。(2)に関しては、12年度の予備調査として、大学生の生活イメージや時間意識に関する調査を160サンプルほどでおこない、調査票の設計に必要なデータや情報を入手した。
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