2000 Fiscal Year Annual Research Report
社会福祉非営利組織の組織原理とその運営実態についての動態的研究
Project/Area Number |
11610213
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
三本松 政之 立教大学, コミュニティ福祉学部, 助教授 (10196339)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森井 利夫 常磐大学, コミュニティ振興学部, 教授 (90104116)
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Keywords | NPO / 福祉サービス供給組織 / コミュニティ / クラブハウス / 公益活動 |
Research Abstract |
既存の福祉サービス供給組織と福祉NPOとの比較検討を行い、後者の持つ組織特性を明確化することが今年度の課題である。その課題への取り組みとしての実態調査に向けた分析枠組みの構築作業を、高齢、保育・児童、障害、社会福祉協議会、生活協同組合等を専門とする研究者の協力を得て行い、組織課題(ミッション)、組織化原則、組織原理、組織化過程、運営組織、利用者-供給者関係、参加論・主体論、ジェンダーとワークシェアーズ、組織評価等を分析項目とした。この作業過程において福祉NPOがその活動にあたって、限定的な範域性をもつことと組織課題の達成との間に密接ななかかわりがあると考えられ、コミュニティ形成への視点の必要性を見いだした。すなわちコミュニティにおける諸活動の維持には拠点となる場の有無が大きく作用する。仮にそのような拠点をクラブハウスと呼ぶこととした。クラブハウスは、地域の公益活動に関わるNPO法人として組織され、その活動は福祉領域に限られるものではなく、果たす役割は創発的で小規模なボランタリー活動への支援、ノウハウの提供、組織維持のための事務の支援や代行、さらにはNPO法人化への支援などであり、また個別組織の枠を越えるようなゆるやかな組織間の協働関係の構築である。そのモデル的な事例が東京・杉並における「N福祉ネットワーク」の試みである。これらの成果を踏まえて調査票の設計作業とプリテストとして、岩手県藤沢町のNPO法人ボラントピアセンター等での現地ヒアリング調査を実施した。その結果今年度実施予定であった量的調査についてはワーディングなどについてさらに検討を要すると判断し、次年度の課題とした。
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