2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11610218
|
Research Institution | BUNKYO UNIVERRSITY |
Principal Investigator |
倉橋 重史 佛教大学, 社会学部, 教授 (90067835)
|
Keywords | 画家 / 絵画 / 鑑賞者 / 絵画観 / 感性 / 間主観性 |
Research Abstract |
本研究の目的は絵画の社会学的研究とは何かを明らかにすることにある。この作業は単に今までの研究(『絵画社会学素描』1-V)の延長線に止まらず、さらに新しい知見を求めるものであった。その作業の結果を以下に記したい。 1、絵画社会学の対象と方法 2、風景画のなかの自然についての社会学的意味 3、風景画、風俗画にみる人工物の社会学的意味 4、社会を描いた絵画の社会学的解釈 5、文化を描いた絵画の社会学的意味 6、感性に関する社会学 7、絵画社会学における現象学的研究 これらはそれぞれの分野に分けて研究した。1の絵画社会学の対象と方法で画家、絵画、鑑賞者とその関係を対象とし、絵画を外的条件からとらえる研究と絵画を内的意味をとらえる方法についてふれた。2の風景画のなかの自然についての社会学的意味では、自然を描いた絵画とは何かに関する社会学的意味をたずね、時間と空間を描いた絵画を社会学的にどのように見るのか、さらに風景とは何か、四季を描いた絵画、花鳥風月を描いた絵画について社会学はどのようにとらえることができるのかに関する考察をおこなった。3では人工物とは何か、道具と機械の絵画、屋外と屋内の物をかいた絵画の社会学的意味を考え、4では社会とは何か、社会を描いた絵画とは何か、5では文化と絵画の関係、文化を絵画として表現することの意味を社会学的に考察した。6では絵画の鑑賞における感性の間題を、7では現象学の立場から絵画社会学に接近した。 今後は鑑賞という行為を中心に絵画の社会学的研究を行いたい。
|
-
[Publications] 倉橋重史: "絵画社会学-3-"佛教大学「社会学論集」. 第36号. 33-46 (2002)
-
[Publications] 倉橋重史: "絵画鑑賞記"佛教大学「仏大社会学」. 第26号. 210-227 (2002)
-
[Publications] 倉橋重史, 吉田晶子: "絵画社会学について"佛教大学「仏大社会学」. 第26号. 65-83 (2002)
-
[Publications] 倉橋重史: "絵画社会学素描V"晃洋書房. 233 (2002)