1999 Fiscal Year Annual Research Report
職業生涯と医療福祉問題との関連性に関する社会学的研究
Project/Area Number |
11610225
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
八木 正 広島国際大学, 医療福祉学部, 教授 (80022101)
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Keywords | 労働災害 / 職業病 / トンネル堀削工事 / 保線工事 / 日雇労働者 / 斎場作業員 / 療養生活 / 介護問題 |
Research Abstract |
10月末に追加採択を受けてから、限られた期間内で次のような研究を展開しえた。 (1)トンネル掘削工事に従事した退職生活者たちの医療福祉調査への段取り 主要フィールドである、大分県南海部郡蒲江町におけるじん肺病等認定退職者の「職業病友の会」理事会にて、会員の職業経歴、療養・介護状況、生活意識に関するアンケート調査の来年度実施について諒承を得た。併わせて、長年じん肺病に関わってきた長門記念病院の三浦研究所長から患者の現況について聞き取りをした。さらに東京都労働資料センターにて、労働災害・職業病関係の文献資料を収集した。 (2)保線工事の下請け構造と労働災害・職業病の発生メカニズムの解明への着手 前項の出稼ぎ専業労働者の場合に対し、下請け事業所への全面委託から成る保線作業の労働実態と労働災害・職業病の発生との関連性について、国鉄労働組合大阪新幹線支部を通じて元保線関係労働者からの聞取り・資料調査により理解を深めた。 (3)日雇労働者・野宿者の滞在地・大阪「あいりん地区」における医療福祉問題の検討 この部門の調査研究は、日稼ぎ労働者と野宿者のケースと位置付けることができる。大阪社会医療センターおよび大阪自彊館更正施設「自彊寮」や同救護施設「三徳寮」を見学し、「あいりん地区」医療福祉問題の関係資料を収集した。 (4)斎場業務に対する差別問題と労働災害・職業病との関連性についての考察 前項の場合よりも、斎場業務従事者はなお一層深刻な差別に直面している。大阪市立瓜破斎場にて、主任クラスの現業職員からこの作業に付随する視力障害などの健康不安と差別によるその潜在化について聞き取り調査を実施した。文献調査も行った。
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