2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11610254
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
山崎 準二 静岡大学, 教育学部, 教授 (50144051)
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Keywords | 教師 / ライフコース / 成長 |
Research Abstract |
研究の2年目である平成12年度は、アンケート調査結果の分析作業の継続と並行して、あらたに調査対象者に加えた最若手のコーホート(教職2〜3年目の新任教師)のから男女各2名を抽出し、彼(女)らのライフヒストリーをインタビュー調査した(8月実施)。その記録は、すべて文字化し、内容分析を行った。 新任教師の語りからは、被教育体験と職場での新任期体験に関する、このコーホート固有の問題が浮かび上がってきた。まず被教育体験では、不登校・いじめ・管理主義・内申書などマスコミでも取り上げられている話題が、実際にその時の体験した者の気持ちとして語られている。その被教育体験の中でマイナスのイメージを形成していることが多く、同体験を通じて教師や学校に対するイメージが形成されてきている。 大学での体験に関しては、小・中・高の学校体験と比べて比較的自由に学校生活を送り、「仲間との語り合い」などに影響を受けたり、素晴らしい教育実践を自分の目で見て意欲を燃やしたりしていることが語られた。 しかし、実際に教師になってからは大学時代に描いていた子ども像や学校像とは違うと感じたり、自分の力量のなさを感じたりする。また大学での「何でも語り合える仲間」の存在も教師同士の間では得にくく、実践に関する熟練教師からのアドバイスも自分から進んで聞きにいかなければ得ることはできないことにとまどいや不安を感じることもある。おそらくそのギャップは、新任期1年目にして多くの新任教師が突き当たる壁なのであろう。
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