1999 Fiscal Year Annual Research Report
教育職員免許法「教職の専門職性確立」理念の形成・具現化過程に関する研究
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11610266
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
北神 正行 岡山大学, 教育学部, 助教授 (80195247)
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Keywords | 教育職員免許法 / 教職の専門職性 / Teachers' College |
Research Abstract |
本研究は,1949(昭和24)年に成立した教育職員免許法の中核的理念である「教職の専門職性確立」という理念が,どのような内容と構造をもつものとして当時の教育関係者において理解・認識され,いかなる形で具現化・実践化がなされていったのかを明らかにすることを目的に,具体的にはモデルとされたアメリカの「学識ある専門職」理念の分析,日本側におけるアメリカ教師教育研究資料の分析,教員養成教育の実態分析という方法により取り組んでいる。 本年度は,主として日本におけるアメリカ教師教育研究について,免許法立案に関して文部省側が用いた資料の収集とその分析および研究レベルにおける資料の収集と分析を行うとともに,成立当初の教育学部でのカリキュラムの資料収集という作業を行った。その結果,アメリカでは1920年代以降,教職を専門織(profession)として捉えようとする明確な意識が存在するとともに,その専門性を基礎とする教員養成カリキュラムの構築の模索がなされていたことが明らかとなった。しかも,その中心はティーチャーズ・カレッジ(Teachers'College)であったといえる。ただ,その実態については資料の点から不明確な部分も多々在り,次年度の課題でもある。また,文部省側が用いたアメリカ教師教育関係資料については,その多くが翻訳という形で用いられていることが判明し,免許法立案に向けては当時(1930年代後半以降)のアメリカ教師教育関係資料の解明が一つの鍵を握るものであることから,その詳細な分析が次年度の課題である。
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