2001 Fiscal Year Annual Research Report
自動車及び電機産業におけるテクニシャン養成と職業能力開発の展開に関する実証的研究
Project/Area Number |
11610273
|
Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
永田 萬享 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (70155935)
|
Keywords | コンピュータ・AI化 / メンテナンス労働 / メーカーの派遣研修 / OffJT / 公的職業訓練 / ポリテクカレッジ / ポリテクセンター / 能力開発セミナー |
Research Abstract |
(1)自動車や電機産業におけるテクニシャン養成の特質をより明確にするために、性格のことなる鉄鋼産業の教育訓練分析を実施した。鉄鋼業におけるメンテナンス労働の特徴はコンピュータ・AI化の導入による労働の客観化の進展である。例えば、設備診断監視システムの導入は故障の未然防止、再発防止、故障の一次対応を可能にした結果、メンテナンス労働は経験的熟練を減少させ、科学的、技術的知識を増大させている。同時にこうした科学的、技術的知識の増大はOffJTによる教育訓練の必要性を高めていることである。また、メーカーの派遣研修や産技短大への派遣など企業外部の教育訓練機関の積極的な活用が見られる。 (2)次に、企業外部の教育機関である公的職業訓練の役割・機能について分析を試みた。ポリテクカレッジ修了者は作業現場の技能業務よりむしろ設計開発業務、生産管理、工程管理、保守保全業務といったテクニシャン関連業務に従事しているケースが多く、製造業などを中心とする中小企業向けのテクニシャン養成機能を果たしていることである。在職者の能力開発を目的としている能力開発セミナーや企業人スクールでは技術協力・共同開発が活発に展開されており、中小企業の能力開発・提携者として重要な位置を占めている。また、ポリテクセンターにおける教育訓練は職業能力開発に関する技能・技術のレベル表示に応じたコースが開設されている。受講理由をみると、(1)新入社員教育のため、(2)パワーアップ研修として、(3)技能資格取得のため等である。いずれもポリテクセンターの教育訓練は、中小企業の要望に応えながら、そこにおける教育訓練に連動する教育部分を担っていることは重視する必要がある。
|
Research Products
(2 results)