2001 Fiscal Year Annual Research Report
高等教育の需要と価格に関する実証的研究-大学・短大・専門学校への志願動向と学納金-
Project/Area Number |
11610282
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Research Institution | Reitaku University |
Principal Investigator |
浦田 広朗 麗澤大学, 国際経済学部, 助教授 (40201959)
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Keywords | 高等教育 / 教育需要 / 学納金 / 私立大学 / 短期大学 / 大学院 |
Research Abstract |
13年度は、これまでに作成したデータベースにもとづいて、次のような分析を行った。 (1)大学教育の需要分析:大学・学部別の基礎データ(設置年、学生数、教員数、所在地および所在地の地域経済変数など)と入学データ(志願者数、合格者数、入学者数、入試方式など)にもとづき、特に私立大学について、大学特性の差異による需要の多少を分析した。その結果、大学教育需要に対して、地域変数が安定的な影響を与えていることが明らかになった。大学の特性では、規模の大きさが必ずしも需要の安定をもたらすわけではなく、中小規模大学の中にも健闘している大学がかなりみられることを示した。 (2)高等教育学納金の分析:私立大学と短大の学納金規定要因の比較分析を行った。その結果、大学の場合は、大規模大学の学納金が安い傾向にあるなど、大学自身の特性や大学所在地域の特徴と経済的に整合する形で学納金を設定しているのに対して、短大の場合は、小規模短大で学納金が安い傾向にあり、財政的に窮地に陥っている可能性があることが示された。 (3)大学院教育の需要分析:当初予定していた専門学校の需要・価格分析はデータ未整備のゆえに断念し、代わって、1990年代に入って急速に高等教育の重要な部分を占めるようになった大学院(国公私立)について、拡大の実態を明らかにした上で需要・価格分析を行った。その結果、特に修士課程の需要は、大学院教育の価格の如何にかかわらず、学生の家計所得と大学院教育の供給量(大学院定員)の増加に支えられていることが明らかになった。この結果は、大学院の定員拡大が今後も続くならば、大学院の教育条件の悪化、大学院学生の質の低下、大学院修了後の就職難といった問題が一層深刻化することを示唆するものである。
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Research Products
(1 results)