2000 Fiscal Year Annual Research Report
「クラス替え」の慣行に見る学級編成の論理の実証的研究
Project/Area Number |
11610291
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Research Institution | Aichi University |
Principal Investigator |
長田 勇 愛知大学, 文学部, 助教授 (60221157)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 仁 盛岡大学, 文学部, 教授 (10193252)
桜井 均 大阪府立大学, 総合科学部, 助教授 (50119327)
遠藤 忠 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (10104118)
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Keywords | 学級編成 |
Research Abstract |
今年度は、前年度に終了したアンケート調査結果の分析を主たる研究課題とし、12年8月30日の日本教育学会でその成果を中間報告として口頭で発表した(発表題目「わが国の小学校における規則的学級編成替え慣行の成立に関する実証的研究」)。その概要は次のとおり。 1調査対象: 青森、東京、大阪、広島、鹿児島の五地域の退職校長会ないし校長会の会員の一部。調査総数1225名、回収総数759名、回収率62.0%。年齢階層・1901年生まれから1970年生まれ 2調査結果: 自分が小学生のときに学級編成替えが「なかった」と回答した人は58.6%であり、「あった」と回答した人は39.9%であった。生年別に見ると、31〜35年生まれの人までは「なかった」が約60%以上で、単級等の理由で「なかった」のが当然のケースを除くと、その約3割は「固定式学級編成」(入学から卒業まで学級編成が同じ)であった。一方、「編成替えがあった」のうち「規則的学級編成替え」(二年前後の規則的間隔で学級の解体・再編成を繰り返すこと)は、11〜15年生まれの人にはじめて現れるが、各生年層内で半数を超えるのは31〜35年生まれの人からであり、それ以降では急増し、41〜45年生まれの層で95%になり、その後は100%になる。この慣行は、戦中・戦後期にかけて広まり、戦後に一挙に一般化した、と見られる。 「規則的学級編成替え」の効果等の意識についても調査し分析したが、ここでは割愛する。
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