2001 Fiscal Year Annual Research Report
学校組織開発に関する実証的研究―「創出」モードへの組織進化プロセスの追跡―
Project/Area Number |
11610302
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Research Institution | National Institute for Educational Policy Research |
Principal Investigator |
木岡 一明 国立教育政策研究所, 高等教育研究部, 総括研究官 (10186182)
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Keywords | 学校組織開発 / 学校の自律性 / 組織学習 / 学校の自己変革 / 学校改善 / 学校選択 |
Research Abstract |
本研究は、以下の目的のもとで実証的に進めている。第一に、学校・教職員をエンパワーメントするためのマネジメント技法のモデル開発。第二に、校内研究・研修を中心とした研修方法の見直し-アクション・リサーチの適用。第三に、学校組織に創出型の「活力」を引き起こすファシリテーターの特性把握。第四として、学校組織進化過程の記述と分析(進化要因の解明)である。 上記の目的のもと、昨年度までは主として学校組織開発に資する諸概念・理論の整理・検討を中心に行ってきたが、今年度は、その知見をもとに、いくつかの県教育センター、県総合教育センターの協力を得て、アクション・リサーチの適用を積極的に図り、研修技法の見直しとその研修効果の検証に力点を置いて進めてきた。 さらに、昨年度に引き続き、「学習する組織」としての教員集団の自己変革を視点として実際の学校事例を収集し、分析を試みてきた。特に本年度は、ファシリテーターに着目して、その特性把握、学校組織における位置、メンタリティについて分析、考察を重ねてきた。取り上げた局面は、いわゆる「学級崩壊」事例、あるいは「体罰を抑止する学校づくり」事例である。また、学校組織開発を促す学校経営制度のあり方を視点にして、学校評議員制や学校裁量予算が与えるインパクトと、その展開過程の分析を行った。また、校長の果たすリーダーシップ行動に着目して、その効果的な展開のあり方を検討した。 最終年度を迎え、今後は、これまでの知見をもとに、学校組織開発過程を精緻に追い、その進化要因を抽出することにしたい。また、研修技法に関して、研修効果の検証結果をもとに、新たなものを提言できるよう研究をまとめていきたい。
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