2000 Fiscal Year Annual Research Report
イギリス中等教育の再編に関する研究-スペシャリスト・スクールを中心に-
Project/Area Number |
11610303
|
Research Institution | National Institute for Educational Policy Research |
Principal Investigator |
佐々木 毅 国立教育政策研究所, 国際研究・協力部, 総括研究官 (90099804)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沖 清豪 早稲田大学, 第一文学部, 専任講師 (70267433)
小松 郁夫 国立教育政策研究所, 高等教育研究部, 部長 (10130296)
|
Keywords | イギリス / 中等教育 / スペシャリスト・スクール / 水準の向上 / インナー・シティー(都市中心部) |
Research Abstract |
インターネットおよび文献資料の収集・分析を通じてイギリスにおける中等教育をめぐる動向をスペシャリスト・スクールと呼ばれる技術、外国語、芸術、スポーツの各領域における教育に重点を置いて教育を行う学校に焦点をあてて整理した。また平成13年2月にロンドンを中心として資料の収集および学校訪問による調査を行った。その際に、スペシャリスト・スクールの拡充に関する政策文書である『学校:成功の増設』を入手した。 これまでの研究で以下の点が明らかになっている。 (1)水準を上げるという教育政策の重点が初等教育から中等教育に移動し、そのための中等学校の自助努力を求めるさまざまな施策が講じられているが、その中でスペシャリスト・スクールは重要な役割を演じている。 (2)スペシャリスト・スクールは増加を続け、現在600校近くになっている。また新たに工業、理科、ビジネス・企業の3つの領域を設け、2006年までに公的部門に属する中等学校の約半数に相当する1,500校を指定することが提案されている。 (3)学校の背景や実態はかなり多様であり、水準の向上という目的の下でさまざまな実践の可能性が、認められている。政策の特色として強調されている都市部の貧困地域における学力の引き上げが、学校設置の実態に合致しているかどうかは検討の余地がある。 研究成果の中間的なまとめとして、『中間報告書』を発行した。 今後、スペシャリスト・スクールを中心とする中等教育の新たな動向を追跡しながら、中等学校教育の実態、特に地域社会との関係、カリキュラムの編成等について、その特色と影響力の変化を具体的に明らかにする予定である。
|
Research Products
(1 results)