1950年代教育委員会制度の再編課題に関する実証的研究-教育委員会の財政権限を中心に-

1999 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 11610304
• Research Institution: National Institute for Educational Policy Research
• Principal Investigator: 本多 正人 国立教育研究所, 教育政策研究部, 研究員 (90282623)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 貝塚 茂樹 国立教育研究所, 教育政策研究部, 主任研究官 (20251001)
• Keywords: 教育行政 / 教育委員会 / 教育財政 / 地方教育行政法

Research Abstract

本年度は、まず地方教育行政の組織及び運営に関する法律の制定経緯を示す資料(国立教育研究所所蔵、『地教行法制定経過に関する行政文書史料I〜IV』(計26冊)によりながら、本研究に関連する先行研究では紹介されてこなかった同法法案の諸規定、とりわけ教育委員会の財政権限に関わる規定の変容を整理するため、コンピューターでそれらの入力を行い、資料の整理を行った。あわせて、これら一連の経過を示す年表を作成した。
また、地方自治体においては教育委員会法下における教育委員会の予算権限規定からどのような問題が生じていたのかを明らかにするために、青森県、栃木県、岩手県、秋田県に赴いて、当時の県議会議事録、教育委員会議事録等からの資料収集を行った。これにより、当時の教育委員会に与えられていた予算に関わる特別な配慮規定に起因して生じた首長部局と教育委員会との対立問題がそれほど多くはないこと、またそうした事例があってもほとんどの場合首長部局の原案が通っていることなどが、現時点では明らかになっている。
最後に、通史的分析担当者が全都道府県に対して、当該都道府県の戦後教育行政史または教育委員会史の刊行をしたことがあるかどうか調査し、6県からは当該刊行物の提供を受けたので、本研究の成果の一部として整理した。