2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11610307
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Research Institution | The National Institution of Special Education |
Principal Investigator |
小林 倫代 独立行政法人国立特殊教育総合研究所, 聴覚・言語障害教育研究部, 室長 (00300715)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保山 茂樹 独立行政法人国立特殊教育総合研究所, 聴覚・言語障害教育研究部, 研究員 (50260021)
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Keywords | 早期教育相談 / 通級指導教室 / 早期療育システム / 幼児対応 / 保護者支援 |
Research Abstract |
今年度は、本研究の最終年度にあたるため、文献研究、調査研究、事例研究の総括を行った。 文献研究では、母子保健、福祉、療育、障害児教育における障害児の早期対応に関する制度や施策の変遷について各側面から整理した。これらをまとめていくことを通して、通級指導教室における早期からの教育相談は、母子保健制度や福祉制度のはざまを埋めていくものではないか、と考えられた。 調査研究では、難聴・言語障害教育における幼児担当者の実態を全国規模の調査結果から考察した。難聴・言語障害の通級指導教室では、小学校の教師だけでなく、幼稚園教諭や保育士、専門員等の職種の職員が幼児の担当を行っていること、その幼児担当者の所属はおおよそ7つに分類できることなどが明らかになった。このようなことから、各地域ではその特性を生かして、幼児の対応の形態や方法を工夫している実態が明らかになった。 事例研究では、研究協力者に協力を依頼し、幼児対応の実態と指導事例のまとめを行った。具体的には、研究協議会を開催し、北海道、静岡県、島根県での通級指導教室における幼児対応の現状と課題について協議した。さらに茨城県のことばの教室が中心となり教育相談室を立ち上げた経緯、群馬県で学校外に設置されていることばの教室の設立経緯や幼児事例の実際について協議した。 これらの研究結果を踏まえて作成した研究報告書では、通級指導教室における早期からの教育相談の在り方について考察し、今後さらに保護者支援の視点から事例の収集、検討が必要性であることを述べた。
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