1999 Fiscal Year Annual Research Report
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11610309
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Research Institution | Institute for Developmental Research, Aichi Human Service Center |
Principal Investigator |
幸 順子 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 能力開発部, 研究員 (20250251)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
綿巻 徹 県立長崎シーボルト大学, 看護栄養学部, 教授 (70142172)
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Keywords | 子育て支援 / 地域 / コミュニティ / 総合的視点 / 臨床心理学 / ノーマライゼイション / 社会の変化 / 家族の変化 |
Research Abstract |
地域における子育てへの支援のあり方について次の3点で検討を行った。 I.社会的背景(変容を遂げる日本の地域社会と家族)の分析 日本型資本主義による高度経済成長と産業構造の変化に伴い、地域社会構造、環境、文化・価値観が変動し、家族が変容した。あらゆる分野で分業と合理化が浸透し、総合性が危機に瀕していることの認識が重要である。 II.望まれる子育て支援 上記分析に基づき、望まれる支援のあり方を理論と実践について検討した結果は下記の通り。 (1)科学的方法論の問題:科学における総合的・学際的視点の重要性 分析的あり方から総合的あり方への広がり(単に分断されたものの集合体でない、真の意味での総合の探究)が重要。その場合の学際にまたがる共通理念・原理として、ノーマライゼイションとユニバーサルデザインが基本で有用である。 (2)実践、現場体制にかかわる問題:こうした理念・原理に基づく支援 その大枠づくりに於いては、民主的な議論に基づく一定の計画性が求められる。個々の家庭から地域への広がり(総合的視点)と地域の中での支援のネットワーク(総合的視点)を視野に入れた体制が必要。単に不足を補う支援を提供するだけでなく、支援体制を前提とするコミュニティづくり構想が不可欠。 III.臨床心理学的援助の位置づけ ここでは、コミュニティヘの支援を視野に入れたコミュニティ臨床心理学が有用な貢献を果たすと考えられる。面接室での心理治療から地域の中での心理的支援への広がりと、心理治療における非日常性と日常性の緊張バランス(これも臨床心理の一つのノーマライゼイションと言える)感覚が重要課題となる。
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Research Products
(1 results)