2001 Fiscal Year Annual Research Report
帝国における植民地と本国―人間の管理と統治に関する歴史人類学的研究
Project/Area Number |
11610317
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
永渕 康之 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (30208045)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗田 和典 静岡県立大学, 国際関係学部, 助教授 (90249300)
平野 千果子 武蔵大学, 人文学部, 助教授 (00319419)
高木 勇夫 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (20179419)
石川 登 京都大学, 東南アジア研究センター, 助教授 (50273503)
西川 麦子 甲南大学, 文学部, 助教授 (20251910)
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Keywords | 帝国 / 植民地 / 本国(メトロポリス) / ポスト・コロニアル / 人間の管理 / 統治 / 宗教 / 社会福祉 |
Research Abstract |
人間を管理し、統治するテクノロジーの成立という問題領域を中心にして、厳しい分割に隔てられてきた本国と植民地の緊張にみちた相互作用を問いなおすことが本研究の目的である。旧宗主国を西洋史、旧植民地を人類学に割り付ける学問分野の分割自体が、帝国時代における世界認識をひきずっている。それを歴史的、思想史的限界としてとらえかえすことが参加者の共通理解である。この認識にたって、歴史学者と人類学者の共同作業において帝国をひとつの枠組みとして分析対象とする。本研究では特にアジア地域に植民地を持った3つの帝国、すなわちイギリス、フランス、オランダを比較することが具体的な研究課題となる。3年間の研究期間において、1)基本的資料の収集、2)資料の読解と分析手法の開発、3)人間の管理と統治を解明する新たな枠組みの提議、の3点を目標としている。最終年度にあたる今年度は、これまで2年間の研究調査活動に関する成果を公表することが第一の課題であった。これまで2年間の成果をふまえて研究分担者全員の参加による研究会を実施して、暫定的ながらも今の段階での研究のまとめをおこない、現在報告書を準備中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 永渕 康之: "東南アジアにおける王国と儀礼"網野善彦他編「岩波講座 天皇と王権を考える」. 第1巻. 101-123 (2002)
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[Publications] 永渕 康之: "忘却と動員-バリ、政治的暴力にみる民族・国家・文化主義"黒田悦子編「民族の運動と指導者たち」. (近刊). (2002)
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[Publications] 高木 勇夫: "グローバルとユニヴァーサル-フランス身体史の視点から"名古屋工業大学紀要. 53巻(近刊). (2002)
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[Publications] 平野千果子: "「文明化」とフランス植民地主義"思想. 915号. 65-87 (2000)
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[Publications] 石川 登: "植民地後期北ボルネオにおける契約労働と帝国主義ネットワーク"マレーシア、サバ州における人の移動と文化(科研報告書). (2001)
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[Publications] 平野千果子: "フランス植民地主義の歴史"人文書院. 358 (2002)