2000 Fiscal Year Annual Research Report
身体表現から見る念仏芸能・民間念仏行事の調査および成立過程の研究
Project/Area Number |
11610327
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Research Institution | Tsukuba Gakuin University |
Principal Investigator |
坂本 要 東京家政学院筑波女子大学, 国際学部・比較文化学科, 教授 (20225808)
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Keywords | 念仏 / 六斎念仏 / 居念仏 / 名越派 / 弾誓上人 / 捨世派 / 呼吸法 |
Research Abstract |
1、滋賀県志賀町栗原・京都府京都市水尾・八木町神田・兵庫県神戸市山田町原野他の六斎念仏をビデオ収録した。若狭調査を含めて、これをもって現存する六斎念仏のほとんどを収録し終えることができた。 2、福井県若狭地域に残る六斎念仏28ヵ所を8月の盆期間に調査協力者の協力をえて集中調査を行い、ビデオ収録をした。六斎念仏の中にすわって念仏を唱える居念仏と立って唱える立ち念仏のあることが明確になった。 3、名越派の双盤念仏である、山形県大石田町乗船寺・青森県今別町本覚寺・北海道有珠町善光寺の三ヵ寺で浄土宗名越派の双盤念仏の収録ができた。名越派は江戸時代で廃絶した派であるが、独特の儀礼をもっていた。この派は福島県に拠点があったが、東北地方から北海道に末寺が分布していた。この派の儀礼はほとんどが絶えてしまったが、わずか上述の三ヵ寺でその念仏が残っており、この念仏を収録できた記録的意義は大きい。 4、滋賀県大津市比叡山飯室松禅寺・静岡県浜松市法林寺で弾誓上人の流れを引く弾誓流念仏を、また山口県山陽町西念寺で捨世派の念仏を収録した。いずれも浄土宗ではあるが民間聖の排出した派で江戸時代に廃絶している。たまたま上述寺院の行事や修業の中に残った。名越派を含め、浄土宗の異端の中に伝承されていた、各種念仏を収録できた意義は大きい。特に弾誓流にあっては念仏が呼吸法と密接なつながりのあることが判明した。
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