2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11610348
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
豊見山 和行 琉球大学, 教育学部, 助教授 (40211403)
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Keywords | 近世琉球 / 法制史料 / 職制秘覧 / 首里王府評定所規模帳 / 原忠順 / 編年法制史料 / 仰渡写 / 宝永元年御条書 |
Research Abstract |
本研究は、2年間で近世琉球王国法制史料の基礎史料の収集・整備とそれに関連する論考の作成を目的とした。その結果、2つの論考(漂着処理をめぐる琉球の基本法=「宝永元年御条書」を新たに発掘した論考と市場における諸法令と女性の振り売り規制の論考)を作成した。さらに、以下の諸史料を収集し、翻刻しテキストデータとして処理した。 (1)「職制秘覧」は、成立年は18世紀頃と目され、首里王府全体的の法制を規定し、官人への俸禄や諸制度等が列記されている。貿易資本の渡唐銀、海運関係、鹿児島の琉球館、黒糖等に関する多様な情報を含む史料である。 (2)「首里王府評定所規模帳」(仮題)は、18世紀後半における王府の中枢機関である評定所の執務規定を規定したものであり、新出史料である。 (3)「原忠順(編年法制史料)」は、明治初年に書写されたものであるが、法令の年代幅は1735年から1877年におよぶ。士族の禄制・家督相続の方法、道路・港湾・堤防・船改め・山林・家産・売買・医制・砂糖・鬱金・屠獣・墳墓・度量衡・祭典・葬儀・系図等に分類・編年された単行法令集である。 (4)「仰渡写」は、最古の1713年から1826年までの年代幅をもち、全107文書からなる単行法令集である。内容は次のように多岐にわたる。諸物の買い占め禁止、櫨桐実の専売制化と脇売り禁令、八重山島への嬰児埋殺禁令、田舎間切から町方へ百姓の移住禁令、爬龍舟時のケンカ禁令、両先島での焼酎製造禁令、等々である。 以上から近世琉球における法制史料の基礎的整備は、一定程度可能になったものと言えよう。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 豊見山和行: "琉球王国末期における対外関係-琉米・琉仏条約締結問題を中心に-"歴史評論. 603号. 31-43 (2000)
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[Publications] 豊見山和行: "市立ち・裁判・商活動から見た首里王府と女性"那覇女性史. (印刷中). 251-262
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[Publications] 豊見山和行: "冠船貿易からみた琉球王国末期の対清外交"琉球大学法文学部紀要・日本東洋文化論集. 6. 137-180 (2000)
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[Publications] 豊見山和行,藤田覚 他(共著): "十七世紀における日本と東アジア"山川出版社. 218 (2000)