1999 Fiscal Year Annual Research Report
日本中世村落の空間構造および村境儀礼の比較史的研究
Project/Area Number |
11610349
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
水野 章二 滋賀県立大学, 人間文化学部, 助教授 (40190649)
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Keywords | 伝統的村落景観 / 竹富島 / 波照間島 / 山門 / 木津荘 / 饗庭昌威氏所蔵文書 / 石敢当 / チャンスン |
Research Abstract |
(1)現地調査 沖縄の伝統的村落景観について、沖縄県立図書館・石垣市立図書館での文献調査とともに、八重山諸島の竹富島・波照間島の現地調査を実施した。両島では遺跡が土中に埋まらず、新里村遺跡・花城村遺跡・ミシュク村遺跡など、14世紀の集落遺構(主として建物を区画した石垣)が密林中に残存している。「本土」とは異なる、集落景観・聖地(御嶽)、あるいは井戸(水源)の問題などの検討を行った。また近江湖西の山門領木津荘域(現新旭町)のうち、全体の約四分の一にあたる五十川・岡・米井三地区での現況調査を実施した。木津荘は鎌倉期には若狭地域の物資を集積し、京都へ運ぶ中継地点であり、山門の最重要荘園・港津であったが、二〇年ほど前に圃場整備が行われ、伝統的村落景観は消滅している。古老からの聞き取り調査などを通じて、圃場整備前の田地一筆レベルの俗称地名・水利、農業・用水慣行、石造物の分布・墓制などを一〇〇〇分の一地形図上に記録するとともに、これらの歴史情報をカード化して、復原研究を進めた。 (2)史料収集 山門領木津荘に関わる新旭町の饗庭昌威氏所蔵文書をPHOTO・CD化して、今後の調査・研究に利用できるようにするとともに、データ・ベース化を進めた。その他今津町史編纂室や五十川地区の近世文書の調査を実施し、一部デジタルカメラでデータ化した。今後はデジタルビデオで伝統的民俗行事の記録撮影も進める予定である。また沖縄・韓国・中国・台湾の村落関係文献、特に沖縄・中国南部の石敢当、韓国のチャンスン・ソッテなどの村境の儀礼に関わる史料の蒐集を進めた。
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Research Products
(2 results)