2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11610359
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Research Institution | Sanyo Gakuen University |
Principal Investigator |
太田 健一 山陽学園大学, 国際文化学部, 教授 (30223829)
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Keywords | 芸娼妓 / 遊郭 / 国際連盟 / ジョンソン委員会 / 婦選運動 / 廃娼運動 |
Research Abstract |
近代日本公娼制度の解明を目指し、主として西日本地域(岡山・兵庫・香川・徳島・長崎・熊本・鹿児島の諸県)、及び市町村(岡山市・倉敷市・井原市、牛窓町・下津井町(旧)など)レベルでの公娼制度の成立・発展過程を歴史的に実証することを目指した。そのため、特に岡山県・兵庫県を対象に、県布達を年次的に追跡すると共に、山陽新報及び神戸新聞史料を収集して総合的に解明した。また、旧村役場文書を綿密に検索し、関係史料を収集した。更に、帝国議会(貴族院・衆議院)での議論状況を知るために、両院議会議事録を閲覧し、議員質問と政府答弁を採集し、また県レベルでの議会史料も岡山県を中心に採集した。合わせて、中央政界で活躍した注目すべき人物(犬養毅・星島二朗など)の追跡調査もおこなった。 次に、昭和初期に入っての国際連盟ジョンソン委員会の調査活動の全容解明、それを受けての各地での廃娼運動・婦人参政権運動にも注目し、史料収集と検討をおこなった。特に、この過程は山陽新聞を中心とする新聞記事、大原社研「労働年鑑」に重点を置き、政府の対応、地方県庁・警察の対応、世論の反応、芸娼妓の直接的行動などに注目して史料収集と検討をおこなった。当時の遊郭経営者などの追跡調査も試行したが、成果は十分には得られなかった。以上の経緯を含め、史料の分析と総括に努力中である。
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