1999 Fiscal Year Annual Research Report
大名家文書の構造と機能に関する基盤的研究-津軽家文書の分析を中心に-
Project/Area Number |
11610362
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Research Institution | National Institute of Japanese Literature |
Principal Investigator |
福田 千鶴 国文学研究資料館, 史料館, 助手 (10260001)
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Keywords | 大名家文書 / 史料学 / 津軽家文書 / 大名 / 藩庁 / 階層構造 / 武家 / 江戸時代 |
Research Abstract |
平成11年度は、本研究計画の最初の年として、次の3つの課題を設定していた。 1)現用時目録の分析による大名家史料の基礎モデルの作成 2)現用時目録データと現存史料の同定 3)個別史料情報の類型化、および個別史料情報の収集 そこで、まず大名家史料の基礎モデルと指定した津軽家の現用時目録である天保3年(1832)『二の丸御宝蔵御書物并御道具目録 全』のデータをパソコンに入力し、基礎データベースを構築した。次に、このデータベースをもとに、国文学研究資料館史料館(以下、史料館と略記)が所蔵する津軽家文書に伝存する個々の史料との同定作業を進めた。計画当初では、史料館所蔵津軽家文書約5300点は、上記目録に記載された史料を中心とした史料群であり、さらに天保3年(1832)以降の大名家史料によって構成されると考えていたが、上記の作業の結果、同史料群には多くの津軽藩庁文書が含まれていることが明らかとなった。 津軽家文書を補うための史料調査では、前橋市立図書館(酒井家)、新潟県立文書館(堀家)、九州大学文化史研究所(黒田家)、東京大学史料編纂所(宗家)、姫路市立城内図書館(酒井家)、彦根城博物館(井伊家)で調査をおこなった。特に、酒井家文書、宗家文書、井伊家文書は、大名家文書の授受過程のわかる貴重な史料群として集中的に史料収集をおこなった。その成果の一部を論文として研究代表者が所属する機関の紀要に発表した。 上記の作業と並行して、「大名文書所蔵先一覧」データベースを作成し、次年度計画の準備のために既刊目録の収集を進めた。
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