2002 Fiscal Year Annual Research Report
大名家文書の構造と機能に関する基盤的研究―津軽家文書の分析を中心に―
Project/Area Number |
11610362
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
福田 千鶴 東京都立大学, 人文学部, 助教授 (10260001)
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Keywords | 大名家文書 / 津軽家 / 大名 / 藩庁文書 / 史料群構造 / 史料群機能 |
Research Abstract |
本年度は本研究の最終年度(4年目)として、これまでに収集したデータの分析を進め、研究成果報告書を作成した。報告書にはこれまでに発表した2本の論文と収集した現用時目録のうちから9点を選び、史料翻刻を行い、掲載し、各史料についての<資料解題>を付した。また巻末には参考資料として本研究で調査した大名家文書目録の一覧表を載せた。計画の段階では大名家文書の構造モデルの構築と個別文書の機能に基づく類型化を進め、現存史料群の現用時秩序を復元するための理論化を進めることを課題としていた。大名家文書の構造モデルの構築については、報告書に掲載した<研究論文1>において津軽家文書を中心に概容を示し、<資料解題>において若干の比較検討を進めたが、今後もこうした現用時目録の分析を蓄積することが必要である。また、個別文書の機能に基づく類型化に関しては、かつて執筆した論文を加筆・訂正して<研究論文2>とし、「内書」の文書類型の史料学的分析を進めたが、それ以外の個別文書の機能については未着手に終った。これについても、今後は朱印状、奉書などについての史料学的分析を蓄積し、その体系化をはかっていく必要がある。なお、当時は現用時目録のデータベース化をめざしていたが、史料分析の結果、まず史料翻刻の形でデータを提示する方法をとった。
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