1999 Fiscal Year Annual Research Report
近代日本と博覧会-明治政府の内国勧業博覧会・万国博覧会・共進会政策-
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11610365
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Research Institution | Tokyo Metropolitan College |
Principal Investigator |
國 雄行 東京都立短期大学, 文化国際学科, 講師 (60234457)
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Keywords | 内国勧業博覧会 / 万国博覧会 / 共進会 / 殖産興業政策 / 大蔵省 / 内務省 / 農商務省 |
Research Abstract |
本年度は資料収集に力点を置き、特に明治14年に東京上野公園で開催された第二回内国勧業博覧会に焦点を絞った。内国勧業博覧会は政府が主催したため、これに関する行政資料の主だったものは国立公文書館に所蔵されている。今年度は、そのうちの「公文録」「公文類聚」「公文雑纂」等から、太政官、内務省、大蔵省、農商務省における博覧会資料を収集した。また、自治体レベルにおける博覧会出品活動を分析するために、東京都公文書館にある明治10年代の博覧会関係行政資料(第二回内国勧業博覧会の「博覧会書留」の他に、「回議録」「往復書類」「添申録」「官庁往復」「本庁伺」「本庁達」「郡区往復」等)を収集した。また、国立公文書館、東京都公文書館から明治10年代前半の共進会(明治12年に横浜で開催された製茶共進会、生糸共進会、明治13年に上野で開催された綿糖共進会)の資料を収集した。さらに、辺境地における博覧会の出品状況を分析するため北海道立文書館と沖縄県公文書館において調査を行った。北海道立文書館には開拓使文書の中に第一回、第二回内国勧業博覧会関係資料を見いだすことが出来た。しかし、明治21年以降の道庁文書には統一性がなく、勧業関係の文書から博覧会文書を探索する他は手段は無いようである。沖縄県における近代文書の所蔵は第二次大戦の被害が甚大であったため、著しく少ない。博覧会関係資料に関しては、沖縄県として内国勧業博覧会に参加した記事は管見の限り見つからなかった。現代の博覧会資料としては、日本万国博覧会の資料を所蔵するほか、沖縄海洋博覧会の膨大な量の文書、写真資料が所蔵されていることが判明した。
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