1999 Fiscal Year Annual Research Report
北アフリカにおけるイスラーム化と宗教的マイノリティ問題の歴史的研究
Project/Area Number |
11610367
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
太田 敬子 北海道大学, 文学部, 助教授 (40221824)
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Keywords | イスラーム化 / コプト教会 / 文化変容 / 東方キリスト教会 / イスラーム社会 / 宗教対立 / マイノリティ |
Research Abstract |
本年度は追加採択のために時間的に制約があったので、文献収集と国内・国外の大学及び研究機関の所蔵する北アフリカのキリスト教徒マイノリティに関する文献リストの作成を主に行った。文献収集に関しては、ベルギーの出版社Peetersが刊行しているCorups Scriptorum Christianorum Orientalium(東方キリスト教文献叢書)の内、コプト語・アラビア語・シリア語史料をほぼ完全な形で入手することができた。本叢書は東方キリスト教会に関する文献を網羅的に集めた重要な資料集であり、来年度にはこれを利用して本格的な文献研究に取り組む予定である。 国内・国外の研究機関の蔵書調査と文献リスト作成の過程において、東方教会特にエジプトを含めた北アフリカのキリスト教会に関して、日本国内には余り文献が揃っていないことが分かった。また、キリスト教徒以外の宗教マイノリティ(ユダヤ教徒やマニ教徒)に関しても史料・研究書共に不十分な状況にあることが判明した。国外のものに関しては各国の大学や研究機関のデータ・ベースを利用したり、研究者との電子メール等の交換によって情報を収集し、合衆国やヨーロッパの図書館・文書館・研究機関にはかなり豊富な史料が所蔵されかつ利用が可能であること、中東・北アフリカ諸国の内で、エジプトとイスラエルには特にコプト語やシリア語の史料やそれに関する研究書が所蔵されていることが分かった。次年度にはこれらの成果を踏まえて史料・文献収集を行う予定である。
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