2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11610376
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
森川 哲雄 九州大学, 大学院・比較社会文化研究院, 教授 (50101275)
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Keywords | 旅蒙商 / 帰化城 / 綏遠城 / 綏遠通志稿 / 山西商人 / 北京商人 / 庫倫 |
Research Abstract |
本年度は研究の最終年度にあたり、これまで収集してきた資料ならびに研究論文などを講読しその分析を主に行った。不足する資料については購入した。また本テーマに関して行われてきた研究について十分把握するために、特に内蒙古各地で公刊された文史資料を丹念に調べ、詳細な関連文献目録の作成を行った。さらに『清実録』の中からモンゴル域内の商業や帰化城、綏遠城に関する記述を抜き書き作業を行った。また内蒙古の研究機関で収集してきた『綏遠通志稿』、『殺虎関監督署報告書』、『察哈爾口北六県調査記』などの整理講読を進め、中国、特に内蒙古で公刊された関連研究論文についても読み、重要なものについては更に精読を行った。またモンゴルで公刊された研究についても調べ、講読を行った。これらの作業を通じて、報告書の作成作業に入り、まず全体的な研究史についてまとめ、従来どのような資料、視点から研究が行われてきたかを確認した。これとともに内蒙古地区における漢人商人、いわゆる旅蒙商の最も大きな拠点である帰化城・綏遠城の16-18世紀の状況について概略した。また幾つかの史料を利用してこの頃の旅蒙商の活動について分析した。さらに『清実録』のモンゴルの商業関係の記述を分析し、そこに記される幾つかの事件とその背景について検討を行った。また20世紀初頭の庫倫における北京商人、山西商人の商号に関する史料を分析し、彼らの当時の活動について検討した。また『綏遠通志稿』などの史料を利用し旅蒙商の活動の終焉について、その原因などを検討した。このような一連の作業を行い、報告書を作成した。またこれら一連の研究で得た知識を基礎に、『東アジア経済史の諸問題』についての書評を行った。
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