2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11610381
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
川越 泰博 中央大学, 文学部, 教授 (60169696)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 正敏 中央大学, 文学部, 教授 (10107469)
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Keywords | 異国情報 / 歴史情報 |
Research Abstract |
日本および中国・欧米を含めて、従来の中国明代史の研究においては、明末清初期に関する社会経済史研究が最も注目を浴び、かつ盛んであった。この時期の社会変革が着目され、様々な社会経済史的アプローチが試みられたからであった。しかし、今日では、研究分野の新規開拓が進むと共に、各分野ともそれぞれの専家を擁するようになり、研究分野の細分化とともに、未だに放置されたままの研究分野は、ほとんどなくなったが、歴史"情報"にかかわる研究は、これからの多大な可能性を秘めた新しい研究分野である。そのように着目した申請者(川越泰博)は、"情報"を歴史的に研究するための方法を求めて長い間考えてきたが、その成果の一端として『明代異国情報の研究』(汲古書院、1999年4月刊)として結実させた。本年度は、昨年度に引き続き、この『明代異国情報の研究』をさらに発展させるための基礎的作業として、明清時代の史料に見える中国以外の地域別情報を収集し、それらを事項別・年次別・人物別に整理して、パソコンに打ち込み、索引・史料目録としても使えるようにする作業に徹した。対象とする史料としては、北京図書館古籍珍本叢刊を中心に、中央大学が所蔵している明清時代史料、東洋文庫その他の公的機関・特殊文庫等所蔵の史料、それに中国所在の史料などを用いた。史料収集は、対象とする地域が広範にわたるため膨大なものであるので、作業の迅速化を図るため、川越泰博は、○明代中国における「モンゴル情報」関係資料、○明代中国における「ベトナム情報」関係資料、○明代中国における「朝鮮情報」関係資料などを担当し、石井正敏は、○明代中国における「日本情報」関係資料、○日本における「明情報」関係資料などの収集を担当し、それとともに、それによって一定の知見・成果を得たものは、後載のように、著書・雑誌論文という形で発表した。
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[Publications] 川越泰博: "藍玉の獄と『南京刑部志』"比較文化史研究. 3. 1-10 (2001)
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[Publications] 川越泰博: "藍玉の獄とモンゴル人"人文研究要(中央大学). 42. 25-44 (2001)
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[Publications] 川越泰博: "『昭示奸党録』について"汲古. 40. 42-46 (2001)
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[Publications] 川越泰博: "太監喜寧擒獲始末"中央大学文学部紀要. 47. 95-124 (2002)
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[Publications] 川越泰博: "明代中国の疑獄事件"風響社. 280 (2002)