2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11610392
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小山 哲 京都大学, 人文科学研究所, 助教授 (80215425)
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Keywords | ポーランド / 貴族共和制 / シュラフタ / ウクライナ / 植民地 |
Research Abstract |
本研究は、16世紀から17世紀中葉にかけてのポーランドにおける国制改革論の系譜を、その内容と表現形態の両面から考察することを目的とする。3年間の研究期間の第2年度にあたる本年度は、近世ポーランドにおける東方植民論にかんするポーランド内外の研究の現状を把握し、また、関連する研究文献と資料を収集することを中心に研究をおこなった。具体的には、 1.本研究の遂行に必要な研究書、史料集、参考図書を収集し、書誌的な情報の整理を作業をおこなった。 2.平成12年12月3日〜16日にかけて、ポーランドのワルシャワ国立図書館において一次史料の調査をおこなった。 3.本研究の成果の一部を盛り込んだ論文「われらもまたインドにいたらん-近世ポーランドにおける「新世界」認識とウクライナ植民論-」を執筆・発表した(『人文学報』、第85号〔2001年刊行〕に掲載予定)。本論文では、16世紀から17世紀前半にかけて、ポーランド国家の東方への拡大、とくにウクライナへの植民の推進を主張する一連の議論に着目した。植民推進論者たちは、西欧諸国が海外に植民地を獲得しつつある状況を念頭におきながら、ポーランド独自の植民地的空間をウクライナにみいだした。本論文では、新しい空間認識が政治的言説に与えた影響、現実のウクライナ植民の実態との対応関係などを考察している。 以上のような研究成果をふまえて、来年度は、16世紀後半の議会制度をめぐるテキストを中心に、具体的な政治過程や社会状況とのかかわりに注目しながら読解する作業を進めていく予定である。
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Research Products
(1 results)