2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11610416
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
小畑 弘己 熊本大学, 文学部, 助教授 (80274679)
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Keywords | 東シベリア / 極東 / バイカル湖 / 埋葬資料 / 旧石器 / 新石器 / 青銅器 / 装身具 |
Research Abstract |
本年度はシベリア各地の研究所を訊ね、考古資料の調査を実施した。おもな調査対象地域は、東シベリアではバイカル湖を中心としたプリバイカリエ地方および極東ではアムール川中流域および沿海州南東部である。 プリバイカリエでは新石器〜青銅器時代の居住地遺跡の遺物および埋葬址出土資料を中心に調査した。1980年代以降に実施された発掘調査の出土資料を中心に、写真撮影や実物の実見を行った。さらに近年発行されたこれらに関する報告類・情報を入手した。埋葬資料はバイカル湖西岸の青銅器時代埋葬の新資料が増加していることを確認し、それに関する報告も入手できたが、それ以外のアンガラ川流域の資料に関しては現在報告書の作成が行われており、その一部を実見したに過ぎない。 極東関係では、アムール川支流ゼヤ川流域の旧石器時代(セレムジャ文化)〜新石器時代(グロマトゥーハ文化)の石器資料の写真撮影・実見、文献入手を行った。さらに南沿海州では、後期旧石器時代後半のスヴォローワIII・IV遺跡の石器群および新石器時代初頭のチェルトヴィ・バロータ遺跡の装身具を中心とした遺物を実測・写真撮影を行った。 上記の成果を受けて、研究会で「シベリア先史時代の漁撈」という演目で発表し、さらにこれらの成果の一部を盛り込んだ『シベリア先史考古学』という著書を作成した。なお、新たな入手資料にもとづく、埋葬資料関係データベースは現在鋭意作成中である。
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