2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11610438
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Research Institution | Takushoku University |
Principal Investigator |
鈴木 重幸 拓殖大学, 外国語学部, 教授 (70017721)
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Keywords | 琉球方言 / 八重山方言 / 石垣島方言 / 文法 / 形態論 / テンス / アスペクト / パーフェクト |
Research Abstract |
本年度も前年度にひきつづき、八重山地域の石垣市の方言について、主として次の調査をおこなった。 研究協力者の狩俣繁久氏(琉球大学教授)、宮良安彦氏(元沖縄尚学高校教諭)、登野城ルリ子氏(石垣字詞編集委員)および今年度からあらたに参加した島袋幸子氏(琉球大学非常勤講師)とともに、石垣方言の動詞形態論の中心となるテンス・アスペクトの文法的な意味の体系を追求した。標準語のテンス、とくにアスペクトの研究の急速な高まりと工藤真由美氏らの方言のテンス・アスペクトの研究の影響を受け、あたらしい段階で、石垣方言のテンス・アスペクトの研究をすることができた。母語の話し手の内省による用例を主とした分析であるという限界のなかでではあるが、いくつかの成果があった。結果相nume:Nの出発点的な意味(結果的な意味)の発見によって、石垣方言のアスペクト体系の独自性が見えてきた。沖縄本島の方言方言にもおこなわれている2つ以上の「あるaN/「おるuN」をともなって作られた派生的、複合的な形を、ここでは、前結果相nume:-re:N、継続結果相numi ure:N,継続前結果相numi ure:re:Nと位置づけ、これらの意味についても、ある程度の知見を得た。 なお、2年間の調査でえた、石垣方言のテンスとアスペクトの記述を報告書にまとめるための原稿を準備した。
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