2001 Fiscal Year Annual Research Report
| Project/Area Number |
11610448
|
|---|
| Research Institution | Hiroshima Prefectural Women's University |
|---|
Principal Investigator |
石川 一 県立広島女子大学, 国際文化学部, 教授 (80193283)
|
|---|
| Keywords | 拾玉集 / 法楽百首 / 慈鎮和尚自歌合 |
|---|
| Research Abstract |
本研究の目的は、慈円の法楽歌群(諸社法楽百首歌八種および日吉七社奉楽『慈鎮和尚自歌合』)を調査・収集した上で、和歌内容の分析・検討を行うことである。これらの当該伝本は数多く存在する上に、その本文は極めて錯綜している。また、当該対象とする各法楽百首には他歌人の競作も認められ・その作品まで視野に入れなければ完壁とは言えないのである。
平成11年度から三年に亘る調査・収集は遺漏の無いように心掛け、東京の国文学研究資料館を中心とする諸機関に所蔵されている伝本調査も順調に進んできている。紙焼写真の頒布サービスが許可されない伝本(陽明文庫・水府明徳会彰考館文庫・神宮文庫・島原松平文庫など)の校合作業も遅々ながら着実に進捗している。
ところで、校合作業の際には最善本である青蓮院本との異同が基準となるが、幸い先年の科学研究費補助金(課題番号・05610359)によって、青蓮院本の本文整定作業が完了している。この基盤の上に立脚することで、和歌内容の分析・検討のための基礎作業は整いつつあると言える。本研究の目的が達成されたならば、慈円及び周辺の新古今歌人研究の進展に役立つものと考えている。
なお、研究成果の報告は本研究の最終年度にあたる平成14年度に提出する予定である。
|
