1999 Fiscal Year Annual Research Report
近世演劇における役者絵の資料的効用をめぐる基礎的研究
Project/Area Number |
11610452
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
内山 美樹子 早稲田大学, 文学部, 教授 (30063704)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
児玉 竜一 日本学術振興会, 特別研究員
松沢 正樹 早稲田大学, 演劇博物館, 助手 (10298200)
和田 修 早稲田大学, 文学部, 助教授 (20240541)
小池 章太郎 跡見学園女子大学, 文学部, 教授 (80215144)
赤間 亮 立命館大学, 理工学部, 助教授 (70212412)
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Keywords | 役者絵 / 歌舞伎 / 興行 / 番付 / 演劇資料 / 画証資料 / 画像データベース / 演劇博物館 |
Research Abstract |
本年度は、おもに演劇博物館所蔵資料の撮影・複製物の整理をおこなった。 本年度は、演劇博物館所蔵の15000枚の作品につき、撮影の上、研究作業のための複製を作成した。撮影は、紙焼きとデジタルデータの両面から複製の製作する必要があるが、デジタル化技術の進歩によりネガ撮影のみで可能となった。それらの作品につき、担当作品を割り当て、各自に考証作業を行なった。これにあたって、役者絵データベースを構築しつつ進めることにし、メンバーにそれぞれには、コピーによる絵画複製を作り配布し、相互に確認作業を行ない、月一回のペースで研究会を開催した。ここでは、演劇博物館に所蔵される興行番付などの周辺資料を利用し、有機的な資料操作の上に、きわめて専門性を要求されている役者絵の考証情報が客観的な評価を経て、信頼性の高い基礎データを蓄積できたと認識している。 上記、15000枚のデジタルデータを利用し、作品考証のデータをリンクして画像データベースが稼動し始めた。役者絵の場合、他機関の所蔵品調査にあたっては、絵画資料であるため、複製品を持参して比較する必要があるが、点数が膨大なため、ほとんど不可能であった。今回開発した画像データベースにより、他機関との比較検討が容易となった。なお、上記作業は、当初より極めて効率よく進行したため、予算執行に当っては、来年度の計画に入っていた別形態の演劇資料との比較検討のための資料収集部分が膨らんだことを報告しておく。
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