1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11610461
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Research Institution | National Institute of Japanese Literature |
Principal Investigator |
田渕 句美子 国文学研究資料館, 整理閲覧部, 助教授 (80222123)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫻井 陽子 熊本大学, 教育学部, 助教授 (60211934)
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Keywords | 敗者 / 和歌 / 勅撰集 / 平家物語 / 政争 / 戦乱 / 歴史認識 / 編者 |
Research Abstract |
本年度は勅撰集を中心とする和歌資料、及び『平家物語』に関連する資料・文献・研究文献を収集し、問題とすべきことを整理し、時代史を俯瞰するための土台を整備した。特に、後堀河・四条の時代、後嵯峨院の時代、伏見院から南北朝、という、『平家物語』が生成される過程のエポック的な時代-これらはそのまま勅撰集が編纂され歌壇が活況を呈した時代と重なる-、この3つの時代を和歌と軍記文学の双方から広く捉え直すことを意図した。 和歌文学関係に関しては、本年度は『新古今和歌集』『新勅撰和歌集』、及び承久の乱関係、後鳥羽院関係、後嵯峨院関係、伏見院関係の資料の収集に努めた。また、軍記文学関係では、『平家物語』の諸本、特に延慶本、長門本を中心に収集調査した。また、双方が深く関わる『明月記』については、双方からの検討課題として重視した。印刷物以外の写本・文書類は、国文学研究資料館・宮内庁書陵部・東大史料編纂所・国立歴史民俗博物館、その他の地方の文庫・図書館などで、マイクロフィルム・紙焼写真・複写による収集を行った。分担は、和歌とその周辺資料を田渕、『平家物語』とその周辺資料を櫻井が担当した。これらの資料の整理、及び論文作成のために、田渕・桜井ともにパソコンを用いて、資料・文献の整理・論文作成にあたり、かつ京都・大阪などへ調査へ赴き、複写資料によって解析を進めた。また、平行して、それらの解読・分析・意見交換を行い、更に不足のものを収集することに努めた。来年度はこうした調査をもとに「敗者」像を文学の中心に据えていくまでの文化と意識の変遷を具体的に考察する。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 田渕句美子: "新出『明月記』断簡"明月記研究. 第4号. 86-92 (1999)
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[Publications] 田渕句美子: "伏見院の時代"国文学 解釈と教材の研究. 第45巻・7号. (2000)
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[Publications] 櫻井陽子: "「紅旗征戎、非吾事」再考-『明月記』治承四五年記の書写と加筆に関する再検討-"明月記研究. 4号. 114-124 (1999)
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[Publications] 田渕句美子: "『国立歴史民族博物館蔵 貴重典籍叢書』第4巻<勅撰集4>新古今和歌集(重文)解題"臨川書店. (2000)
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[Publications] 田渕句美子: "『国立歴史民族博物館蔵 貴重典籍叢書』第5巻<勅撰集5>新古今和歌集(重美)・新勅撰和歌集 解題(新古今集担当)"臨川書店. (2000)
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[Publications] 田渕句美子: "『とはずがたり』と中世和歌 『とはずがたりの受容と変奏』 所収"新典社. (2000)
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[Publications] 櫻井陽子: "長門本平家物語における和歌の摂取-本文改編の観点から-『長門本平家物語の総合的研究 論文篇』所収"勉誠出版. 227-294 (1999)