2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11610474
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Research Institution | Takaoka National College |
Principal Investigator |
山田 眞一 高岡短期大学, 地域ビジネス学科, 助教授 (20210453)
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Keywords | 中国語 / 語彙 / 理解語彙 / 使用語彙 |
Research Abstract |
現代中国語における実証的語彙研究として、理解語彙と使用語彙という言語の二つの層における、個々の単語の習得時期について、調査・分析を行った。 本年度は11年度に構築した中国の小学生作文コーパスの補充と、1年〜3年の使用語彙語彙分布について計量言語学的処理を行った。計量言語学的処理を行った結果、KWIC検索、語彙頻度表、学年別語彙使用度数を作成した。こうした言語資料から得られた、現調査段階における中国語話者の語彙使用に関する中間的な報告として以下の点があげられる。 1.多義語の動詞の使用頻度は1年次においても高い。使用頻度の高い多義語動詞に以下のものがある。 "〓ai,帯dai,打da,〓fa,放fang,花hua,交jiao" 2.中国語の「助ける」という意味の動詞には"幇bang,幇助bangzhu,幇忙bangmang"があり、HSK(中国語標準試験)では重要語1000語の中には"幇助"しか含まれてない。しかし、小学生作文コーパスの分析からは、 1)"幇助"と"幇"は1年次から使用されており、"幇"の兼語動詞の用法も1年次から見られる。 2)"幇忙"は1年次では使用されておらず、3年次になってはじめて使用例が見られる。という結果が得られた。このことは、使用語彙としての"幇"の習得時期が早いことを示しており、外国語として中国語を学習する場合にも、学習の初期の段階で"幇"のような単音節動詞を導入する必要性を示している。 3.ともに、接続詞と介詞の兼類である、"和he"と"跟gen"の使用度数は、"和"は"跟"の10倍以上になり、使用語彙としての"和"の優位性を示している。また、使用例を分析した結果、"跟"の接続詞用法は介詞用法に比べ少ないことがわかった。
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