2001 Fiscal Year Annual Research Report
英語の副詞の特徴と認可原理に関する記述的・理論的研究
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11610478
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
鈴木 英一 筑波大学, 現代語・現代文化学系, 教授 (30004071)
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Keywords | 生成文法 / 英語の副詞 / 照合原理 / 認可条件 / 共起制限 / 様態の副詞 / 動詞句副詞 |
Research Abstract |
本研究では,生成文法の諸仮説を踏まえ,英語の副詞はどのような意味を表し,具体的な文においてどのような機能を担うかについて理論的および記述的な面から研究を行った.本研究によって次の諸点が明らかにされた. (1)英語の副詞に属する語はほとんどが多義的であるが,その意味・機能の多義性は多くの語の場合具体的な文において解消される.多義性が解消されるのは,副詞の意味・機能が具体的・個別的に決定されるからである. (2)副詞の意味・機能の決定に際しては,副詞が文において生じている位置・構造が重要になる. (3)副詞の生起位置・構造(特に文の構造においてどのような構造関係をもつか)によって,当該副詞が文副詞(接続副詞を含む),主語・述語副詞,主語副詞,述語副詞のいずれの機能を担っているかが決定される. (4)副詞の意味・機能の決定には,このような生起位置・構造に関する特徴に加えて,個々の副詞の語彙的な特徴(表す意味と担う機能の範囲および共起関係等)が重要な役割を果たす. (5)個々の副詞特にly-副詞(形容詞からly接尾辞を付加することによって派生される副詞)の語彙的な特徴は,対応する形容詞の意味から決定できることが多いが,決定できない場合は語彙的特異性として辞書おいて指定する. (6)前置詞句は生産的な副詞的な要素であるが,副詞的前置詞句はその意味・機能は語彙的特異性として辞書において指定することができないので,前置詞と名詞句から派生的に決定する必要がある. (7)特に主語副詞や動詞句副詞の意味・機能を決定する際には,これらの副詞が共起している主語名詞句や述語動詞等の特徴と強い依存関係があるので,しかるべき照合手続きが必要になる.
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 鈴木 英一: "On the Use of Linguistic Database for Linguistic Research"筑波大学・東西言語文化の類型論特別プロジェクト研究報告書平成10年度. 15 (1999)
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[Publications] 鈴木 英一: "Orientation and Licensing of English Adverbs"筑波英学展望. 19. 10 (1999)
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[Publications] 鈴木 英一: "書評『Cinque(1999) Adverbs and Functional Head』"英語青年. 8月号. 1 (1999)
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[Publications] 鈴木 英一: "Licensing Some Kinds of Degree Adverbs in English"筑波大学・東西言語文化の類型論特別プロジェクト研究報告書平成11年度. 20 (2000)
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[Publications] 鈴木 英一: "A Note on Adverbial Prepositional Phrases"筑波英学展望. 20. 12 (2001)
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[Publications] 鈴木 英一: "副詞の曖昧性と指向性"筑波大学・東西言語文化の類型論特別プロジェクト研究報告書平成12年度. 26 (2002)
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[Publications] 鈴木 英一: "副詞の副詞の特徴と認可原理"筑波大学(科学研究費補助金研究成果報告書). 151 (2002)