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1999 Fiscal Year Annual Research Report

十九世紀アメリカ女性文学と植民地主義の言説

Research Project

Project/Area Number 11610480
Research InstitutionUniversity of Tsukuba

Principal Investigator

竹谷 悦子  筑波大学, 現代語・現代文化学系, 助教授 (60245933)

Keywords女性文学 / 宣教師 / ビルマ / エミリー・ジャドソン
Research Abstract

本研究は、従来不当に等閑視されてきたアメリカ女性文学と合衆国の植民地主義との関わりを明らかにするものであり、今年度は十九世紀中葉のアメリカ女性文学に表れるアジアの植民地化の歴史を中心に研究した。とりわけ、ビルマ(現ミャンマー)で活躍したエミリー・ジャドソンを始めとする女性宣教師たちの文学を研究対象とした。資料収集は夏季休暇を利用してアメリカ合衆国で行った。エミリー・ジャドソンの作品を所蔵しているアメリカの議会図書館で基本的な調査を行う一方、ジャドソンがビルマから本国の家族に宛てた書簡をコレクションとして保有しているニューヨーク州ロチェスターのアメリカン・バプティスト歴史協会で貴重な未出版の手紙を発掘、解読した。その結果、ビルマ王室のハーレムと奴隷制を描いたエミリー・ジャドソンのロマンス『カサイの奴隷』(1853年)が、フィクションではなく、実際の歴史にもとづいた作品であることが証明された。さらに、この作品を再評価するうえで重要な点として、1)第一次英・ビルマ戦争時に捕虜として収容されたアメリカ人宣教師の視点を通して描かれたカサイの奴隷の姿が、当時のアメリカの黒人奴隷制度のレトリックを付与され、合衆国の人種問題を逆照射すること、2)奴隷とともに収容された捕虜アメリカ人宣教師は、従来の西欧中心主義を支えてきた主体としての白人男性の優位性を揺るがす視点として機能していること、が確認できた。今年度の研究により、女性宣教師文学は合衆国の拡張主義や「明白なる運命」のイデオロギーを再生産・補強していったという従来の見解が修正される必要があることが明らかになった。それは「明白な運命」と区別されるべき隠れた植民地主義を体現するものであるとする申請者の仮説を、今年度の研究により十分に裏付けることができた。

  • Research Products

    (2 results)

All Other

All Publications (2 results)

  • [Publications] Etsuko Taketani: "The "Omnipresent Aunt"and the Social Child: Lydia Maria Child's Juvenile Miscellany"Children's Literature (Yale University Press). 27. 22-39 (1999)

  • [Publications] Etsuko Taketani: "Spectacular Child Bodies: The Sexual Politics of Cross-Dressing and Calisthenics in the Writings of Eliza Leslie and Catharine Beecher"The Lion and Unicorn (Johns Hopkins Univ.Press). 23. 355-372 (1999)

URL: 

Published: 2001-10-23   Modified: 2016-04-21  

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