1999 Fiscal Year Annual Research Report
現代英語の動詞表現にみられる結果と過程の意味の連続的段階性
Project/Area Number |
11610481
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
安井 泉 筑波大学, 現代語・現代文化学系, 教授 (00110578)
|
Keywords | 現代英語 / 動詞 / 結果 / 過程 / 段階的 / 意味論 / 連続性 / 含意 |
Research Abstract |
英語の動詞表現等が「結果」までの意味を含む場合と結果は含まず「過程」の意味のみをもっている場合とがあることは良く知られているが、研究を進めると、to shoot NPなど「結果までを含む表現」は、「結果が焦点となっている」ことが明らかになってきた。さらに、「結果を含まない表現」には、to kick at the doorのように「過程が焦点となっている表現」とto stop a person from doing「結果を含まないことが焦点になっている表現」との二つの場合があることが明らかになった。あわせて、「結果までを含む表現」の受動態は、He was shot.のように、それでおしまいという「完結的意味」をもつのに対して、「結果を含まない表現」の受動態は、He was shot at.のように、その後も狙われ続けるという脅威の念を受動態の主語に抱かせる「持続性」、「非完結性」の意味をもつことも明らかになった。また、結果を含まないようにするのは、着点に向かう行為がどの時点で中止されるのかに関して、いくつかの種類があり、それが表現の違いとして具現化していることが観察された。to stop a person from swimmingでは「泳ぐ前からの中止」が表され、to stop a person swimmingでは「泳いでいる人を途中でやめさせる」意味となるなどである。「結果の含意」に関して、当初の予測通り、連続的段階性(gradience)がみられることを表す例の収集も進んでおり、連続的段階性に(i)強い会話の含意(strong entailment)、(ii)強勢の置き方による結果の含意の変化、(iii)動詞による含意の違い、などの観点からの分析が有効であることも実証されつつある。
|
-
[Publications] 安井 泉: "形は意味をどう語るか"英語青年. 145・6. 16-16 (1999)
-
[Publications] 安井 泉: "英語の形容詞の意味と統語的特徴"英語語法文法研究. 6. 5-23 (1999)
-
[Publications] 安井 泉: "テクストはいかにはじまるか"東西言語文化の類型論特別プロジェクト研究報告書. (印刷中). (2000)