1999 Fiscal Year Annual Research Report
談話における強調構文に関する総合的研究-関連性理論,認知文法による考察
Project/Area Number |
11610491
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
加藤 雅啓 上越教育大学, 学校教育学部, 教授 (00136623)
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Keywords | ガ分裂文 / 関連性理論 / 強調構文 / 指定 / 措定 |
Research Abstract |
本年度の研究は日本語の強調構文について,[1]文献による理論研究,[2]言語資料の収集と分析を行った。 [1]文献による理論研究については,先ず日本語の強調構文,とくにガ分裂文に関する談話文法,関連性理論のそれぞれの枠組みにおける先行研究を総括した。関連性理論の観点からは,ガ分裂文が談話内で果たす機能と関連性理論との関わりを検討し,とくに,談話におけるガ分裂文の機能と文脈効果,及び処理労力との関連性を探った。さらに想定から導かれる論理形式と語用論的推論との関係を明らかにしたうえで,ガ分裂文に関する推論メカニズムを検討した。 [2]言語資料の収集と分析については,主に日刊紙(読売新聞、毎日新聞),和雑誌(アエラ),及びBrown Corpus,Lund Corpus,L0B Corpus等の電子コーパス(言語資料集)から強調構文を含む文章を収集,分析した。 これらの理論研究と収集した資料から,日本語のガ分裂文を巡る議論を総括し,天野(1995)で提案されているガ分裂文の判定条件に不備があることを指摘し,さらに関連性理論の枠組みによってガ分裂文に関する新たな代案を提示した。
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Research Products
(2 results)