1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11610493
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮内 弘 京都大学, 文学研究科, 教授 (90047407)
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Keywords | 韻 / ラーキン / イェイツ / 文体 / 言語 / 現代詩 / 批評 / 二重性 |
Research Abstract |
本年度はイェイツとラーキンの詩の韻を詳細に調べ、詩の意味と韻の関係を探ろうと試みた。一般的に日本人が英詩を読む場合、韻の問題についてあまり関心を持たないか、たとえ持ってもどういう韻の型にあてはまるかを調べるだけで満足することが多い。ところがイェイツとラーキンは技巧派の詩人であり、通り一遍の韻では満足せず、韻にさまざまな工夫を凝らしている。特に不規則な韻に両詩人の微妙な心情が反映されている場合がたびたびある。以上のことに着目して詩のテーマと韻の微妙な関係を研究してきたが、この研究は本課題の中心をなすものであるので来年度は、両詩人の草稿をも参照しながらより多角的な方面からこの問題に迫っていきたい。 上で述べた研究のほかに本年度は『イギリス詩を学ぶ人のために』(世界思想社)の「W.Bイェイツ」の章を執筆した。この本は初めてイギリス詩を読む人を対象としたもので、詩人の生涯の記述や代表的な詩とその訳、解説、語注、参考文献などからなる。この本の中で本年度の研究成果の一部をいかすことができた。そのほか2000年9月刊行予定の『世界の文学』67号のためにW.H.オーデンに関する、「詩と政治」と題する論文を、また同誌74号のためにフィリップ・ラーキンの人と作品に関する解説を執筆中である。
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Research Products
(1 results)