2000 Fiscal Year Final Research Report Summary
グローブ座におけるエリザベス朝演劇の上演形態の研究
Project/Area Number |
11610494
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
英語・英米文学
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Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
太田 耕人 京都教育大学, 教育学部, 助教授 (40168935)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 潤司 鹿児島国際大学, 国際文化学部, 助教授 (10258676)
尾崎 寔 同志社女子大学, 学芸学部, 教授 (30077276)
市川 真理子 東北大学, 言語文化部, 助教授 (80142785)
藤田 実 関西大学, 文学部, 教授 (40029658)
下館 和巳 東北学院大学, 教養学部, 教授 (50179008)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Keywords | The Globe / Shakespeare / Elizabethan Drama / Yorkshire Tragedy / stage pillars / stage directions / Elizabethan acting / Elizabethan Theatres |
Research Abstract |
グローブ座で演じられた劇に絞り、エリザベス朝戯曲の初演の形態(original staging)を、ト書き研究にローズ座とグローブ座の考古学的証拠を接合して分析した。劇のテクストを広く精査し、ト書きを中心に文献上の証拠を拾いあつめた。さらに、1996年に開場した新グローブ座での実際的な知見を活用して、劇場構造が上演にどのような制限を課し、どのような特徴をあたえたかを調査した。具体的に次の4点が明らかになった。 (1)舞台上の二本の柱の上演への影響 二本の柱は左右対称性を作りだし、本来は別の場所で起きている出来事が、舞台の右半分と左半分で同時に演じられた例が多くみつかった。また柱と舞台の縁との間を演技空間として用いた可能性もある。 (2)登退場のト書きと二つの登退場口の利用 シェイクスピア時代の俳優たちは「舞台裏への登場」をすることができたし、'Exit aside'というト書きの示すように「舞台上に留まったままの退場」もあり得た。 (3)上舞台(balcony)と中央開口部(central opening)の場面転換への利用 『ヨークシャーの悲劇』で死骸があるはずの舞台で、別の場面が演じられることがあるが、こうしたときに上舞台を利用した可能性は一般に思われているより少ない。むしろ本舞台の前と奥(中央開口部もふくむ)を、観客が主観的に分節して、別の空間となしたと仮定できる。 (4)再建グローブ座での演技 再建されたグローブ座では、囁いても叫んでもせりふがよく通ることが分かった。また平土間にいる観客との濃密な交感により、「場のスピリット」に触発された演技が、大いに用いられた可能性があると推測された。
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[Publications] 太田耕人: "シェイクスピアにおける劇的手法としての手紙(1)"京都教育大学紀要. 97. 95-105 (2000)
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[Publications] 市川 真理子: "Shakespeareの劇場における「登場」と「退場」"英文学研究. 77. 1-13 (2000)
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[Publications] 市川 真理子: "Entry and Exit Stage Directions in Elizabethan Play-texts"言語と文化. 16. (2001)
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[Publications] 藤田 実: "シェイクスピア劇場と丸本歌舞伎"国文学. 45. 141-154 (2000)
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[Publications] 下館 和巳: "日本における新しいシェイクスピアへの試み(7)"放送芸術学. 112-127 (2001)
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[Publications] 小林 潤司: "『ヨークシャー悲劇』における「場所の転換」"鹿児島国際大学国際文化学部論集. 1. 1-11 (2000)
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[Publications] Andrew Gurr and Mariko Ichikawa: "Staging in Shakespeare's Theatres"Oxford University Press. 181 (2000)