1999 Fiscal Year Annual Research Report
第二言語獲得における「誤り」と,肯定証拠,否定証拠の役割に関する実証的研究
Project/Area Number |
11610500
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Research Institution | Miyagi Gakuin Women's University |
Principal Investigator |
遊佐 典昭 宮城学院女子大学, 学芸学部, 教授 (40182670)
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Keywords | 非対格動詞 / 否定証拠 / 肯定証拠 / EPP / 節構造 |
Research Abstract |
本年度は、本研究の理論的枠組みとして用いるミニマリストプログラム関連の各種研究会に参加して、資料の収集を行う共に、言語獲得と脳科学の接点に関して、7月に高等研究所で開催された『言語の脳科学国際シンポジウム』にコメンテーターとして参加して"Some Modest Thoughts about Nueroscience of Language"の発表を行った。 また、7月から8月にかけて勤務校の学生を米国研修付き添いを行い、日本人英語学習者の受動文の獲得に関して、否定証拠、肯定証拠の観点から予備実験を行ったので、来年度に本実験を行う予定である。今年度の調査では、非対格動詞の誤りを調査したが、間違いは(1)空主語を用いるものと、(2)受動文を用いるものに大別される。(1)に関しては、EPP素性との関連が明らかになった。(2)に関しては、非対格動詞の中でも、受動文の誤りを引き起こしやすいものと、そうでないものがあることが判明したので、今年度の本実験でさらに深く検討する予定である。また、学生に対する、肯定証拠、否定証拠に関する実験は、時間的な制約もありまだ決定的な結論には到っていない。 また、小学生の節構造の獲得に関する予備実験の打ち合わせを、ボストンで行ったので、今年度は詳しく見ていくことにする。 理論的な枠組みとしては、第二言語獲得者はCP構造をTP構造に再分析している可能性を示す証拠が見つかり、またA移動の痕跡が存在しない可能性があり、これらを経済性の観点から来年度は検討する予定である。
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Research Products
(1 results)