1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11610504
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
宇賀治 正朋 鶴見大学, 文学部, 教授 (00015372)
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Keywords | 近代英語の否定文 / beとdoの共起 / beとhaveの共起 / 共起上の時期的ずれ / 各種の動詞の配列順 / 最大の動詞句 / 言語習得上の順序 |
Research Abstract |
1. 本研究の目的は、English Prose Drama on CD-ROMを使用して、近代英語(1500年以降現在までの英語)における否定文の歴史的発達の最も顕著な特徴を明らかにすることである。この目的は下記に示すように現在ほぼ達成されつつある。 2. 本CD-ROMに収録されている1540-1900年間の400余人の作家による1800余の散文戯曲中に、英語否定文でbe,haveがdoと共起している用例が約2,600見出された。 これらを分析して、次の3点i-iii)が明らかとなった。 i)1例を除き、beはhaveよりも早くdoと共起した。 ii)beには本動詞、受動態形成助動詞、進行形形成助動詞の三つの機能が区別されるが、前二者のbeはほぼ同時期1590年頃doと共起し始めたが、最後の機能のbeはおよそ200年遅れて1790年過ぎにdoと共起し始めた。 iii)haveはdoと1700年過ぎ頃共起し始めた。 3. 一般本動詞は否定文で遅くとも1400年頃からdoと共起し始めたことが既に知られているが、この事実に本研究が明らかにした上記の諸点を加えると、否定文で本動詞、be、haveとdoとの共起の時期的順序は次であることがわかる。 本動詞→be(本動詞・受動態→進行形)→have この順は、まことに興味深いことに、次の文に例示される英語の最大の動詞句における各種の動詞の配列順と正反対(鏡像関係(mirrorーimage))である。 The house would have been being built. これには深い理由があろう。それについて幼児の言語習得資料をも加えて考察した結果を本年9月までに、裏面に記載の第2,第3論文として発表することが決定している。
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[Publications] 宇賀治正朋: "準助動詞have toの成立にみられる文法化"第72回日本英文学会大会(平成12年5月20・21日、立教大学).
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[Publications] Ukaji,Masatomo: "An Aspect of the Development of Negative Sentences in Modern English"11th International Conference on English Historical Linguistics,7-11Sept.2000,University of Sntiago de Compostela,Spain.
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[Publications] 宇賀治正朋: "否定文(『英語史』(本年8月刊行予定)中の一節)"開拓社. 10 (2000)