2000 Fiscal Year Annual Research Report
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11610506
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Research Institution | Yasuda Waomen's University |
Principal Investigator |
大泉 昭夫 安田女子大学, 文学部, 教授 (00066218)
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Keywords | Geoffrey Chaucer / Chaucer辞書 / Chaucer文法 / 中期英語コンコーダンス / 中期英語辞書 / 中期英語文法 / 中期英語辞書学 / 中期英語統語論 |
Research Abstract |
1984年に発足したA Chaucer DictionaryとA Chaucer Grammarの作成を究極の目標とする研究事業は,1991〜92年にA Complete Concordance to the Works of Geoffrey Chaucer(全10巻)(Chaucer Concordanceと略記)を,1994年にA Rhyme Concordance to the Poetical Works of Geoffrey Chaucer(全2巻)をそれぞれ刊行した.これが第1段階であるが,第2段階ではChaucer Concordanceの「見出し語化」によるA Lemmatized Concordance to the Works of Geoffrey Chaucerの作成に専念し,辞書と文法の作成を平行させてこの事業を推進してきた.「見出し語化」を進める過程でLemmatized Concordance はLexical ConcordanceとGrammatical Concordanceの2種類に分割し,文法項目は語彙項目から独立させるべきとの結論に達し,W-Z項を除くその第一草稿を完成させることが出来た.第3段階として,これを更に発展させ平成11年度にはA Chaucer Dictionaryの編纂に着手し,平成12年度には,これと平行してA Chaucer Grammarの構想を実現させるためにGrammatical Concordanceを準備したい,というのが研究計画であった.平成12年(2000年)度に実施した研究作業は,前年度に引き続きA Lexical Concordance to the Works of Geoffrey Chaucer,Volume One:A-Lおよび Volume Two:M-Zの大幅な増・改訂である.具体的には,(1)辞書項目における新しい研究成果の導入と再点検,(2)文脈の明示と綴り異形の重視のための用例の追・増加,(3)文法項目における高頻度語,とりわけ機能語の組織的分析である.(2)と(3)の作業は,刊行を引き受けるドイツの出版社より記述のために要する十分な紙面を認められたため,散文作品の用例は<文>ないし<構文>を単位とし文脈を拡充し,併せて文法項目の説明にも役立てるように配慮した.これによりA Chaucer Grammarを創出する基盤となるデータベースを作成したことになる.2000年9月にアメリカ・ミシガン大学のMiddle English Dictionary(MEDと略記)編纂所へ出張した.これにより辞典(MED)の刊行分に収録されなかった用例文カードと未刊行分(W-Z項)の資料を閲覧しLexical Concordanceのために蒐集した用例との照合を行なった.個別の各種の問題点につき編集主幹のRobert E.Lewis教授と討論し,有意義なレビューを受けることが出来た.
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