1999 Fiscal Year Annual Research Report
Ancrene Wisse 成立の問題を解明する全写本の系統図の作成
Project/Area Number |
11610509
|
Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
和田 葉子 関西大学, 総合情報学部, 教授 (00123547)
|
Keywords | Ancrene Wisse / 写本 / 系統図 / 中英語 / フランス語 / ラテン語 / 校訂 / 修道院 |
Research Abstract |
13世紀に書かれたと考えられるAncrene Wisseの写本は英語によるものが9つ、フランス語が4つ、ラテン語が4つ現存している。本研究ではそれらのテキストを比較検討することにより、作品成立の問題を科学的に解明する全写本の系統図を作成する。本年度は、Early English Text Societyから刊行されているAncrene Wisseのテキストを元に、収集しつつあるマイクロフィルムも参考にしながら各写本に見られる異同がわかるようにコンピュータに入力し始めた。Vernon写本については編纂されていないので、ファクシミリを使用しているが、このテキストをこの秋EETSより刊行することが決まっているコペンハーゲン大学のDr Arne Zetterstenが今年1月に来日し、テキスト校訂の問題について直接、意義深いディスカションをする機会を得た。同時に、系統図の作成と分析をより正確にするための助けとするため、この作品と同時代に書かれた作品についても調査し、Ancrene Wisseが書かれた可能性が高いイングランド中西部の政治、宗教、社会背景に関する資料も収集を進めた。調査研究に出かけたロシアのサンクト・ペテルスブルグ国立大学ではAncrene Wisseについて講演した。最終的な成果になるA Companion to Ancrene Wisseについては、イギリスの出版社と契約を結ぶことができた。
|
-
[Publications] 和田葉子(編): "A Companion to Ancrene Wisse"Boydell & Brewer(Woodbridge,U.K.)(印刷中). (2001)
-
[Publications] 和田葉子(編): "A Book of Ancrene Wisse"関西大学出版部(印刷中). (2001)