2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11610516
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
坂原 茂 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (40153902)
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Keywords | 変化述語 / 認知プロセス / 解釈 / 仮想的変化 / 認知意味論 / メンタル・スペース / プロトタイプ / 自然言語 |
Research Abstract |
本研究は,変化述語のさまざまな解釈と,それを引き起こす要因を明らかにした.変化述語は,次の3つの興味深い解釈の曖昧性を示す. (1)主体の変化:Jacques a vieilli. (2)値交代による加算的解釈:Le president a beaucoup rajeuni. (3)評価基準の変化に基づく変化:Chaque annee, celine devient plus facile. (1)は,通常の変化で,変化は主語で表されるJacquesに起こる. (2)は,大統領の交代があったときに,今度の大統領は,以前の大統領より若くなったという解釈である.個々のPresidentは,若くなるわけではない.この解釈では,役割presidentを満たす複数の個体の年齢が比較されている. (3)では,主体自体には変化は起きていない.Celineは,すでに死んだ作家であり,Celineの著作自体が変化して,年々易しくなることはあり得ない.むしろ,それを読む人の理解力があがったために(フランス語の読解力が上がった,人生経験が豊富になった,文学についての理解が深まった,など),相対的にCelineの著作を読む困難が減じるということである.ところが,その変化は,あたかもCelineの著作の変化であるかのように表現されている. この研究では,われわれの認識方法が,どのように外界の認識を決定し,かつそれがどのように言語に反映するかが,メンタル・スペース理論に基づいて考察された.この研究は,認知操作に基づく意味論構築を目指すプロジェクトの一環である.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 坂原 茂: "メンタル・スペース理論から見たテンス・アスペクト"言語. 30・13. 80-87 (2001)
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[Publications] 坂原茂, 他(共著): "ことばの認知科学辞典"大修館書店. 561 (2001)