1999 Fiscal Year Annual Research Report
ドイツ産業革命以降の生活改革運動とその文化的影響に関する総合的研究
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11610526
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Research Institution | Otaru University of Commerce |
Principal Investigator |
副島 美由紀 小樽商科大学, 言語センター, 助教授 (20226707)
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Keywords | 建築史 / 田園都市 / 芸術家コロニー / ヘレラウ |
Research Abstract |
研究の対象となるドイツ産業革命以降の生活改革運動には種々の運動が含まれるが、科学研究費補助金執行の初年度にあたる今年度の研究活動は、特にドイツ田園都市運動の歴史に着目して関連する資料収集活動を行った。 今年度重点を置いたのは、ドイツ最初の田園都市構想者である社会改革者のテオドール・フリッチュ、及びドイツ最初の田園都市であるヘレラウの芸術家コロニー参加者であった芸術家・作家達、ヴァルター・シュピース、パウル・アードラー、ハンス・ユルゲン・フォン・デア・ヴェンゼ等に関係する資料である。 国内及び外国出張を行うことによってこれらの資料収集活動を行った。まず、国内出張により、日本ドイツ協会、東京ドイツ文化センター、関西ドイツ文化センター、大阪市立大学学術情報センターを訪れドイツ田園都市運動およびその他の世紀転換期の芸術運動に関係するヴィデオ・資料などを閲覧。特に大阪市立大学情報センターにおいて劣化資料であったテオドール・フリッチュの田園都市構想に関する著作が得られたことから、来年度はイギリスとドイツにおける初期の田園都市構想を比較した研究が可能となるはずである。また、外国出張においてはドイツ連邦共和国のケルンにて、ドイツ・ヴァルター・シュピース協会を訪問し、協会所蔵の未公開書簡を閲覧。ケルン大学においてハンス・ユルゲン・フォン・デア・ヴェンゼ及びパウル・アードラーの絶版著作に関する資料を入手し、またオランダのライデン大学では大学図書館所蔵のヴァルター・シュピース未公開書簡および関係資料を収集した。 活動の結果は計画通りの充実したものだったが、今回の出張で収集できた資料は膨大な全体量の一部に過ぎず、来年度も田園都市構想に関する論文の執筆とともにこの資料収集活動は継続される。
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